京都カースト(京都におけるエリアごとのヒエラルキー)を考えるとき、「洛中」は正確にいうとどこからどこまでなんだということがずっと気になっていました。図書館などで様々な本に当たった結果、どうやら明確には定まっていないのではないかということに気づきました。
わたしは京都メディアの編集部員ですが、京都学や歴史や地理の専門家ではありません。ただの京都好きとしてどこまで調べることができるか、素人の調べものになってしまいかねませんが、できるだけ論証をそろえて考えるため、この記事を書きながら調べたことを整理していきたいと思います。
洛中洛外はどのように考えられているのか
今、わたしの頭に浮かんでいる「洛中概念に関係するエリア分け」と手元にある参考文献です。これらを足がかりにひとつずつ考えていきましょう。ひとまずは、好きな本でもある『都名所図会』に当たってみます。
都名所図会は安永9年(1780)に出版された京都ガイドブックです。絵入りの紹介で一世を風靡しました。この本では京都を「平安城(首+尾)」「左青龍」「右白虎」「前朱雀」「後玄武」というエリアに区分しているんです。洛中、洛東、洛西、洛南、洛北みたいな感じですよね。この分け方が面白いので、それぞれのエリアの名所をGoogleマップにピン止めして、どのような広がり方をしているのか見てみたいと思います。
ただし、全部で数百の名所がありなかなか大変です……今回は『平安城(首)』のエリアのマップ作成を試してみましょう。各名所が出版当時から移転していないかどうかを調べるのも忘れずに行います。
都名所図会 平安城(首)のエリアマップ
下記URLからGoogleマイマップをご確認ください。
都名所図会 – Googleマイマップ都名所図会
ここにピン止めしたエリアが「平安城(首)」です。鴨川を超えている名所もありますが、だいたいイメージするところの「洛中」だなあという感じですね。
下記のシートがマップ作成のために調べている内容です(現在作成中)。間違っているところを見つけたら是非教えてください!修正してちゃんとしたマップを作りたいと思います。次の記事では「平安城(尾)」のエリアを検証していきます。