今年も残りひと月、師走の声が聴こえてきました。
美しい京都の紅葉も終宴を迎え、観光客で賑わった街中も落ち着きを取り戻す1 2月。
「時は元禄1 5年師走半ばの1 4日(トントン)江戸の夜風をふるわせて響くは山鹿流儀の陣太鼓・・って私も日本人ですね~。そして日本人なら年代問わず? 1 2月と云えば「忠臣蔵」でしよう。
創業時より京都山科に会社を置いております事もあり、勝手連的な意味合いも含めて今回は主人公「大石内蔵助」を祀る京都山科の「大石神社」をご案内させて頂きます。
大石神社とは、京都の人の間でも、聞いたことありますな~、そやけど行ったことあらしません~近くに市バスの停留所はありますえ~と云うような・・・由緒が正しい割には少々マイナーな神社でありますが・・・
播磨の国・赤穂藩の筆頭家老であった大石内蔵助の主君浅野内匠頭が元禄1 4年3月1 4日松の廊下で刃傷に及び即日切腹、赤穂浅野藩はお家断絶、約一月後の4月1 9日には赤穂城を引き渡し、藩政の残務を処理した後、6月2 5日に生まれ故郷の赤穗を後にし、家族と共に京都山科で7月より翌年9月までお家再興・江戸急進派との密議等、義挙の議をめぐらせ隠棲した折に居宅を構えたその地に、「大石内蔵助」を主祭神として創建された神社でありまして、ご利益は言わずと知れた「大願成就」の神徳で信仰を集めています。
さて、境内はニ千三百坪と結構広く、大鳥居前後の参道には桜の木が並んでおり、その中でも一段と立派なしだれ桜はご神木の「大石桜」、毎年4月の第一日曜日には「さくら祭」が催され隠れた桜の名所として賑わいを見せています。秋には紅葉も美しく色づき、市中の有名どころとは違い、ゆったりと紅葉狩りを楽しめる穴場的神社です。
また境内には宝物館も在り、大石内蔵助、大高源吾、小野寺十内の書をはじめ四十七士図の屏風、隠棲中のゆかりの品々、また歴代の東映作品で内蔵助を演じた俳優のパネル等が展示されており中々の見応えです。
桜、紅葉も良いのですが「大石神社」のメインイベントは毎年1 2月1 4日に催される「義士祭」で山科毘沙門堂を出発し大石神社まで約5時間、討入り当時を再現する大石内蔵助をはじめとする表門隊、裏門隊の四十七士をはじめ遥泉院を先頭にした女人列など総勢3 0 0 名の義士行列が行進し、冬の京都の風物詩として沿道の多くの観覧客を楽しませています。
また境内においても「義挙大祭」が催され、毎年1 2月1 4日は義士一色となり、全国よりの参詣客でわう1日となります。
今年は皆さん是非お越し頂き「大石神社」を盛上げていただければと思います
稲荷山の東側の麓に在り、公共交通も京阪バスしか路線がなく、稲荷山の反対側に在る世界の伏見稲荷大社とは参拝客、メディアの露出等かなり差があるようですが、この時季のおすすめスポットです。
全国の崇敬者の皆様や地元山科の皆さんの尽力で大石内蔵助ゆかりの地に創建されたのが昭和1 0年、千年の都の中では歴史の浅い社寺ではありますが、映画やテレビでお馴染みのシーン「内蔵助」が畑仕事をしたり、祗園ーカ亭での遊興は、つい3 2 0年ほど前に実際この山科滞在中の出来事です。
この地より祗園や橦木町に出かけ、短い期間でしたが畑を耕しつつも、お家再興から主君の敵討ちまで行きついた内蔵助の心中を同じ場所に立ち想像出来る、「忠臣蔵」ファンならずとも他所では感じる事が出来ないであろう心に響く物を四季折々の景色の中、しばし感じ取れる希少な空間となっています。
来年よりまた新たな御代となりますが、「忠臣蔵」と云う史実を脈々と伝えるであろう大石神社へ「大願成就」のご利益を戴きに皆様是非足をお運びくださいませ。
今後は海外の皆さんにも是非お越しいただきたいものです。
多分今は海外旅行サイトの上位はに載っていませんね・・・せめて日本の航空会社の海外便では「忠臣蔵」をニか国語で上映して頂きたいと願っています。