今年で第3回目となる北大路寄席。毎年、桂塩鯛師匠にお越しいただいています。今回の話は、京都にちなんだ「はてなの茶碗」ということもあり、特別にインタビューさせていただきました。

落語の魅力ってなんでしょうか?

一番手軽に色んな世界に入れることですね、好きな話でも嫌いな話でも、何べん聞いてもその話に入っていけるってことですわ。

耳の中に入ってくるってことだけでいいんです。特別な準備がいるっていうこともなく、落語そのもの力は、よそにはないものだと思うとります。耳で聞いたことがすっと頭に入るイマジネーションの世界なんで、落語ってそれだけで力を持ってるもんなんでね。色んな形のものがあるんですわ。うん。

上方落語と江戸落語の違いは?

もちろん関西弁かそうじゃないかという違いやね。上方も江戸もできた時はほとんど一緒やったと思います。

江戸の方は寄席の文化が進んでいきましたので、一人がたくさんのネタを話します。一つの話を長くするのは日常的でなかったんですね。コンパクトに、あっさりまとめてあるんですわ。特に滑稽話は、全部コンパクトやね。

ほんで、上方の場合は割りと理屈っぽく、小ネタでも長くしつらえてあるんですわ。ところが、寄席の文化が途中で途絶えてしまった。寄席やのうて自分の独演会という形でここまで盛り上げてきたわけです。

きっちり覚えると長くなっちゃうから、30分あった話が20分になったり、どんどんコンパクトになっていくんじゃないですかね。だから、違いっていうたら、言葉と仕立て方が異なるってことになるんですかね。


上方落語の中でも京都と大阪の違い(言葉遣いやお客さんの反応など)は?

上方落語は上方落語なんで、京都でも大阪でも関係ございません。ただ、大阪でできたので、京都にコンプレックス抱いている。京都のことをそういう立ち位置で見ているのは確かやね。

京都と大阪のお客様の違いは、今はないですね。昔は京都の方が見る目があった。まず京都でやらないと一人前でないと言われていたんやけどね。

テレビやラジオでの落語と生の寄席の違い(臨場感ややりやすさなど)は?

寄席は生が一番良い!もし聞くならTVでなくラジオ。ラジオだと想像するからね。
耳に入ってきて自分の中でイマジネーションしてほしい。TVは、そのまま映像が頭の中で走ってくる、寝転んでいても見ながら聞けるから、想像しーひんけど、ラジオの場合は、寝転んでいても頭の中で想像するでしょ。

昔、うんと昔ね、東京のTV局の落語番組でね、緞帳が下りている映像がひたすら映っているだけ、ほんで音も会場のお客様がざわざわしている声は聞こえるというものがあってん。普通その間にチャンネル切り替えますよね。でもあえて流している。なぜかというと、会場にいるような気分になってほしいからなんやろね。

寝ている人は「起きて見て」という時間。幕が開いた時には、TVの前でもきっちり座った状態で見てほしい。という意図があったのだと思う。非常によくわかっているプロデューサーやろ?(笑)


「芸の肥やし」になること、日々の生活の中で何か心がけてられますか?

特にございませんけど。しいて言うなら、世間でどういう話題がされているか敏感になっている方がええね。

それと、人となるべくたくさん話すこと。何もないときでも表に出るこっちゃね。

デパートを上から下まで歩いてきたら、何か目にとまるものがあって、それを忘れんようにメモする。すぐにネタで使うわけやのうて、溜めておくんですわ。
旅行とか特別なときを除き、ネタは日常の中にあるんですわ。たとえ病院行っても何かあるという目で世の中を見ようとしている。
 
 

創作落語ってどうやって考えるものなのですか?

まぁ、世の中を見て、落語になると思ったら控えておくことやね。
 
「枕で話していることは落語ですやん」と仰る方がいるけど、枕に枝葉をつけて物語にすれば落語になる。僕は枕にするのは得意やけど、会話調は苦手。ストーリーは落語作家にお願いしている。1つのちゃんとした落語を作ろうと思ったら、、どういったらいいかな、つなぐ才能っていうの?文枝師匠は300程作っているからね。
 
 

お客さんの反応が思いのほか悪いときはどのようにされるのですか?

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桂 塩鯛

桂ざこば一門の筆頭弟子。
昭和30年2月9日 京都市生まれ
昭和52年に入門以来、芸歴41年。
「米紫」「鯛蔵」「小鯛」の3人の弟子をもちます。
師匠譲りの迫力のある落語で、特に「替り目」「らくだ」などの人情味のある噺や
お酒の噺が得意です。
趣味・スポーツは魚釣り、野球観戦(レッドソックス)、「男はつらいよ」鑑賞
スポーツ ゴルフ、野球、ウオーキング 。

                           

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