「はんなり」に見る京都人と桜

現代の京都にも桜文化は息づいています。たとえば「はんなり」という京都弁があります。落ち着いたはなやかさを持つさま。上品に明るいさま(from広辞苑)という意味で、京都の女性の雅やかさを表わすときによく使われます。語源は「花なり」「華あり」だそうで、この場合の「花」にバラをイメージする人は少ないでしょう。やはり京都人をイメージする花は桜になると思います。

はんなりは姿や動作といった目に見えるものだけでなく、心のありようにも反映されます。京のぶぶ漬け伝説や、京都流といわれる、最初から断るつもりなのに「考えときますわ」と言ってしまう性質にたとえられるように、京都人は腹黒いといわれることがあります。たしかにそういう一面もあるのでしょうが、別の見方をすると直接的なもの言いをするのは無粋で、かつ相手を傷つけることもあります。そこで間接的にやんわりと伝えるのが「はんなり」である、という解釈も成り立つと思います。決してみんながみんな「イケズ」なわけではなく、そこには相手を思う心もあったのです。

さて「京都が桜色で染まる」などとノンキなことを言っていますが、日本列島はただいまコロナ一色状態。なんだかお花見気分じゃないかもです。でも、だからこそのさくらだと思います。前週の記事で「桜には人に笑みをもたらすチカラがある」と述べました。いつだったか本誌Kyoto Love.Kyoto編集長がこんなことを言っていました。「桜の季節はいい。みんなが桜を見ようと顔を見上げるから」と。こんな時だからこそ前向きにありたいもの。日本の心、そして京都人の心である桜を愛でて、元気を取り戻しましょう!

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この記事を書いたKLKライター

八坂神社中御座 三若神輿会 幹事
吉川 哲史

 
Kyoto Love.Kyotoでの執筆記事数が50を超えるKLKフリーク。日本語検定一級、漢検(日本漢字能力検定)準一級を取得した目的は、難解な都市・京都をわかりやすく伝えるためだとか。

地元広告代理店での勤務経験を活かし、JR東海ツアーの観光ガイドや同志社大学イベント講座、企業向けの広告講座、オンラインイベント「ひみつの京都案内」などのゲスト講師に招かれることも。

得意ジャンルは歴史(特に戦国時代)と西陣エリア。自称・元敏腕宅配ドライバーとして、上京区の大路小路を知り尽くす。夏になると祇園祭に想いを馳せるとともに、祭の深奥さに迷宮をさまようのが恒例。

サンケイデザイン㈱専務取締役

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