宗旦狐の興味深い伝説が残されている。宗旦とは千宗旦のことで茶聖千利休の孫である。
この狐、相国寺の茶会で宗旦に代わってお点前をやってのけたことから宗旦狐と呼ばれた。この偽物の宗旦が茶を点てた後その場を去ると、もう一人の宗旦が遅刻したことを詫びながら登場するということが何度か起きた。

弟子たちは宗旦の偽物がいると考え、あらかじめ宗旦の居場所を確認し、茶会に現れた偽物の宗旦を問い詰めた。すると、偽物の宗旦は寺に住みついている狐であると白状し、狐の姿に戻り逃げ去っていったという。それからしばらく経つと宗旦狐は、僧堂で座禅をしたり、托鉢に行くようになり、寺のために尽くしたと言う。


出町柳 賀茂川飛び石の[亀石、蛙、千鳥]

賀茂川(鴨川)の河床の安定を図る主目的のために設けられた横断構造物(帯工)の上にいろいろな形に模したコンクリートブロックを配したものである。映画やアニメで度々登場する素敵なスポットである。

鳴滝 三寶寺 妙見堂の[犬(戌)]

犬は太古から人間の忠実な伴侶として、番犬として又、安産のシンボルとして愛されてきた。「子宝犬」も参詣者の魔を払い、ここ掘れワンワンと福を招いてくれる。


嵐山 法輪寺の[羊(未)]

十三参りで有名である。羊は虗空蔵菩薩の使いで、知恵や福徳を授けてくれる。
帰路、渡月橋を渡り切るまで法輪寺の方を振り向くと、授かったものが逃げると言われる。
虗空は丑寅生まれの人の守り本尊で、境内にはウシとトラの像も祀られている。

新京極 蛸薬師の[蛸]

薬師如来が本尊。タコは吸い寄せると吸い取る力があり、左手で蛸を触れるだけで病を治す。福娘童話集には仲の良い母子の話しが載っている。

南山城 蟹満寺の[蟹]

蛇を退治する蟹

蛇を退治する蟹

「蟹の恩返し」とは

昔、山城国に観音様を厚く信じる農家の父娘がいました。ある日、娘は村人がとった蟹を哀れみ逃がしてやりました。またある日、父は田で蛇にのまれんとしている蛙を助けるのに「娘を嫁にやるから蛙を助けて欲しい」とうっかり言ってしまいました。
その夜、立派な男性の姿をした蛇が娘を貰いに来ますが、「三日待ってくれ」と懇願しました。男性は一度、引き帰りました。
三日目、板を打ち付けた部屋の中で父娘は懸命に観音経普門品を唱え祈っていました。やがてきた蛇は約束が違うと怒りだし、家の周囲で暴れました。しかし突然、その音もやみました。
夜が明けて見ると、家の周囲には蟹の鋏で切り裂かれた蛇の死体が転がっていました。その時に死んだ蟹と蛇の屍を葬り、塚を作ってその上に観音堂を建てたのが、蟹満寺といわれている。現在、毎年4月に蟹供養がおこなわれている。


一乗寺 動院狸谷山不の[狸]

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この記事を書いたKLKライター

自称まちの歴史愛好家
橋本 楯夫

 
昭和19年京都市北区生まれ。
理科の中学校教諭として勤めながら、まちの歴史を研究し続ける。
得意分野は「怖い話」。
全国連合退職校長会近畿地区協議会会長。

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