二条城のシンボルの一つ、東南隅櫓(重要文化財)

二条城のシンボルの一つ、東南隅櫓(重要文化財)

狩野派による障壁画の原画(重要文化財)を見ることが出来る展示・収蔵館。

狩野派による障壁画の原画(重要文化財)を見ることが出来る展示・収蔵館。

年4回企画展を開催しています。(入館料100円)二の丸御殿で模写画(これも極めて高い技術で作成しています。)を見て、ここでオリジナルと見比べるのが通な見方です。

[7億2千万円]二条城の黒字額

二条城の黒字額(平成29年度決算)。収入は、入城料収入が中心ですが、物販やイベントを開催した際の使用料や寄付も合わせて14億3千万円。これに対して、支出は施設管理や事業運営費、職員人件費などで7億1千万円。この差額が黒字分で単年度であれば安泰ですが、現在20年がかりで進めている本格修理事業に100億円を超す経費を要するため、黒字分は基金に積み立て、工事費に充てています。


[100億円超]修理に要する経費

二条城は慶長8(1603)年、徳川家康により築城され、寛永3(1626)年、3代将軍家光の時代に後水尾天皇を御所から迎える寛永行幸に際して、本丸御殿を増築するなど大改修を行い、城域を西へ大きく拡張して現在の形になりました。木造建築物ですから、その都度必要な改修を重ねてきていますが、平成23年度から、全28棟の文化財建造物について、家康、家光以来となる本格修理に着手しています。これまでに、二の丸御殿の正門である唐門、二条城の正門である東大手門の修理を終え、現在は、本丸御殿の修理を進めており、これが完了するといよいよ二の丸御殿の修理に取り掛かることになります。
この本格修理に要する経費が100億円。ただし当時の概算ですので、これを大きく超えることが見込まれています。

平成25年に終了を終えた唐門(重要文化財)。

平成25年に終了を終えた唐門(重要文化財)。

奥に見えているのが二の丸御殿。工期20か月、工費1.8億円を要しました。

平成29年8月から本格修理に着工した本丸御殿(令和3年度末完成予定)

平成29年8月から本格修理に着工した本丸御殿(令和3年度末完成予定)

[63%と2.6%]外国人と京都市民の割合

来城者のうち外国人の占める割合、京都市民の割合(平成29年度調査)
国・地域別では、
中国8%、台湾6%、韓国5%、香港2%など:アジア28%、
アメリカ6%、カナダ2%:北アメリカ8%、
フランス4%、スペイン3%、ドイツ3%、イギリス2%など:ヨーロッパ20%
オーストラリア4%など
一方、京都市民の占める割合が2.6%と少ないことも特徴的です。

二条城の国・地域別来城割合

二条城の国・地域別来城割合

[2,090円]京都市民限定のパスポートの値段。

京都市民限定のパスポートの値段。
京都市民の来城者の割合が2.6%と低いことを紹介しました。これは、二条城だけでなく、「京都市民は京都を観光しない。」と言われるように、修学旅行生や外国人など多くの観光客で賑わう有名観光地でも京都市民は「いつでも行けるから」と行かないことも多いようです。そこで二条城では、京都市民の皆様にもっと知ってほしい!と、京都市民限定の年間パスポートを販売しています。一般で、入城料が1,030円(二の丸御殿観覧料を含む)、狩野派の障壁画(原画)を見られる展示収蔵館の観覧料が100円ですから、2回で元が取れるお得な年パス。デザインも2つ(写真参考)の絵柄から選べます。その場で顔写真を撮影して、お帰りまでにお渡ししますのでぜひ。

[1時間18分]来城者の平均滞在時間。

来城者の平均滞在時間。入口で手荷物預かりサービス(有料)を実施しており、荷物を預かった時間とお返しした時間から滞在時間を分析しています。二条城の「見学早回りコース」は、「東大手門~唐門~二の丸御殿~二の丸庭園~清流園~障壁画展示収蔵館」です。これを普通に見て歩くとこれくらいの時間になります。でも、じっくりと解説にも目を通しながら、回るともっとかかります。さらに、「早回り」ではなく、本丸御殿(現在修理中で見学不可)と本丸庭園、天守台(家光が建てた天守の跡)まで足を伸ばすと2時間はかかります。我々としては、ゆっくりじっくり二条城を知っていただくためにも、滞在時間を伸ばすことを一つの目標にしています。
そのためにも、二条城についてよく知ってもらうことが必要と考え、初めてとなる「公式ガイドブック」(写真参照)を作成しました。業者に発注するのではなく、二条城の職員で編集委員会を組織して作った思いのこもったガイドブックです。本冊は事前の読み物として、別冊は、これを片手に二条城を回っていただくように作りました。二条城の売店等でお買い求めください。1,100円(税込)

[14%]全国の修学旅行生が二条城を訪問する割合

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この記事を書いたKLKライター

元離宮二条城事務所長
北村 信幸

 
京都市文化芸術政策監・元離宮二条城事務所長
京都市において観光、文化財、文化芸術政策を歴任。
2016年4月から二条城事務所長兼務。
二条城を舞台に「文化財の保存と活用のバランス」に挑戦中。
2017年秋、天皇皇后両陛下(当時は、皇太子殿下、妃殿下)に二条城をご案内したことが思い出と語る。
今は、市役所と二条城を往復する日が続く。 

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北村 信幸

 
京都市文化芸術政策監・元離宮二条城事務所長
京都市において観光、文化財、文化芸術政策を歴任。
2016年4月から二条城事務所長兼務。
二条城を舞台に「文化財の保存と活用のバランス」に挑戦中。
2017年秋、天皇皇后両陛下(当時は、皇太子殿下、妃殿下)に二条城をご案内したことが思い出と語る。
今は、市役所と二条城を往復する日が続く。 

|元離宮二条城事務所長|二条城/裏側/文化財/お城

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