『竹の紅葉~次代への執念~』僕は京都の銘竹問屋 Episode-10
ぶれずに仕事を果たす。シブいタケくんの個性
春に紅葉し、しかし一挙には紅葉せず、落葉するやいなや葉変わり。
何より、赤なのか茶色なのか、発色さえも人目を引かない。
京都が華やかな色で飾られている頃、緑の葉が懸命に働いて、地下茎が要るものを送り続ける。
竹がこのような地味な紅葉を生態としているのも、全てが次代へ繋げることに執念をかけている表れ。
竹の紅葉に気づくのは、きっとよほどのマニアでしょう。モミジの紅葉とは大違い。艶やかさの欠片もありません。
でも、僕はもう言わないよ。『タケくん、モミジくんみたいにスポットライトを浴びろ!』なんて。
目立ちはしないけれど、ぶれずに仕事を果たす。『それがタケくんの個性だ!』
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利田 淳司
1967年京都市生まれ。
関西学院大学法学部卒。
1915年創業の銘竹問屋・(有)竹平商店4代目、代表取締役。
NHK「BEGIN JAPANOLOGY」「美の壺」などのメディアへの出演や「第8回世界竹会議」の開催組織委員・「日本人の忘れ物知恵会議」のパネラー等を務め、日本の銘竹の美を海外・国内に向け発信する活動を行っている。
|銘竹問屋四代目・ギタリスト|竹/明智藪/嵐山/祇園祭/ギター
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