一昔前の人々は、年末年始、さまざまな方法を用いて、懸命に自らの罪やケガレを祓うことに努めた。
ところが今日では、多くの人が自らの罪やケガレを省みることもなく、ただ新年の初詣でさまざまな現世利益を祈願するのみである。
それはすなわち、現代社会のくらしのすべてにおいて、回顧や内省といった心情を改めて意識する機会があまりにもなさ過ぎることが原因ではないのだろうか。
先人たちが伝えてきた「大祓え」や「悔過」という、現代社会とはまるで縁のないような営みこそ、今日を生きる私たちがその意味を深く再考し、少なくともそれに代わる、何らかの内省の機会を持たなくてはならないのではないかと思う。

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この記事を書いたKLKライター

佛教大学歴史学部教授・公益財団法人綾傘鉾保存会理事
八木 透


1955年(昭和30)年 祇園祭鉾町の家系に生まれる。
京都生まれの京都育ち 生粋の京都人
同志社大学文学部卒業 佛教大学大学院博士後期課程修了 文学博士
専門は民俗学

世界鬼学会会長、日本民俗学会監事、京都民俗学会会長代行・京都府および京都市文化財保護審議委員 ほか 多数歴任

毎年、祇園祭山鉾巡行および五山送り火には実況解説役としてテレビ出演している。

『婚姻と家族の民俗的構造』(吉川弘文館)、『男と女の民俗誌』(吉川弘文館)、『京のまつりと祈り-みやこの四季をめぐる民俗』(昭和堂)、『日本の民俗信仰を知るための30章』(淡交社)など、著書多数

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1955年(昭和30)年 祇園祭鉾町の家系に生まれる。
京都生まれの京都育ち 生粋の京都人
同志社大学文学部卒業 佛教大学大学院博士後期課程修了 文学博士
専門は民俗学

世界鬼学会会長、日本民俗学会監事、京都民俗学会会長代行・京都府および京都市文化財保護審議委員 ほか 多数歴任

毎年、祇園祭山鉾巡行および五山送り火には実況解説役としてテレビ出演している。

『婚姻と家族の民俗的構造』(吉川弘文館)、『男と女の民俗誌』(吉川弘文館)、『京のまつりと祈り-みやこの四季をめぐる民俗』(昭和堂)、『日本の民俗信仰を知るための30章』(淡交社)など、著書多数

|佛教大学歴史学部教授・公益財団法人綾傘鉾保存会理事|祇園祭/五山送り火/火祭/御火焚/大根焚

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