歳神様へのご挨拶~お正月の習わし〜【京都人度チェック】
京都人度チェック③ 鏡餅
さてもう1つ、「歳神様、中に入って来てくださいよ」ということで、
目印であり、お供えでもあるものが玄関入ったところにあります。
鏡餅ですね。京都では「お鏡さん」といいます。
関東とはずいぶん違うらしいことは、実は最近知りました。
こちらでは、上からこの順番で重ねています。
橙(だいだい)
串柿
祝い昆布
鏡餅
杠(ゆずりは)
裏白
では、鏡餅で3つめの京都人度チェック!
③京都の鏡餅でよそと違うところはどこ?
これ、2つあると思うんです。
まず1つ目は、関東の方はもう写真を見たらすぐわかることですね!
はい、正解は、「祝い昆布と串柿」。
裏白と杠(ゆずりは)は共通してますが、関東では祝い昆布も串柿もないと知ってビックリしました。ほんで、ちょびっとだけ「飾るの楽でええな。」て思いましたね。
飾り方は、よその地方と比べても同じところがあったりマイナーな違いやったりしますが、実は2つ目、大きな違いがあるのわかりますか?
それは「三方(三宝)」!
三方というと、思い浮かぶのはこの形。
うちにはないのでイラストですが…
京都のはあきらかに背が低い!
私は小さい頃、これしか知りませんでした。大小、あるいは大中小揃っていることが多くて、子どもの時それを両手に持って踊っては怒られてましたよ!
この形の三宝、よそではほとんど見られません。ネットで検索しても出てこない。2枚歯というのはあるんですが、これは4枚歯。
他の京都人もホンマにこの背の低い三方を使ってたのか心配になったので、試しに京都の友人たちに尋ねてみると、
「昔は京都式のこれだった」
「今はスーパーで関東式のを買ったので違うが、天井収納庫を探せばあるはず!」
と、ほとんどがこの京都式を知っていました。
ただし、この言葉のように、今使ってない人が多いんですよ。
なんでかというと、新しいのに替えようと思っても、スーパーに売ってへんからなんです。
残念ですよねぇ!京都式のものが京都のスーパーに無いなんて。こういうのホンマに多いんですよね!あぁこうやって文化が途切れて行くのかぁ…っていつも膝折れる思いで打ちひしがれます…
ま、気を取り直して。
これはご存知ですか?
こんなふうに飾るミニミニ鏡餅があるんですよ。
雪だるまみたいでしょ!
これは「星付きさん」といいます。普通のお餅にさらに小さなお餅がくっついた形。
神様は玄関まできてもろたら、次はもっと奥に入っていただきたいですよね。
そこでこの星付きさんを台所やトイレ、お風呂といった水回りに置くのです。それで神様にミニミニ鏡餅めがけて奥へダーッと来てもらう、という企てですな。小さいし置きやすいし、とっても便利。これは、昔からあるスーパーなら必ず販売されてますよ!
もっと丁寧にされるところでは、「輪飾り」という藁で作ったものに葉付きみかんや裏白・ユズリハなどを付けて、星付きさんの上に飾るお家もあります。これも名前があって、「ちょろけん」て言うんですよ。
もともとは江戸時代にあった大阪のお正月の門付け芸から来ているそうなんです。福禄寿の張りぼてをかぶるらしく、太い寸胴の形をしてるけれど、京都のちょろけんはかなり変形したあとなんでしょうね。京都に入ってから細くなったのか?文化も地域を変え時代を経ると変わっていくのでしょうね!
そんなこんなで、なんとか歳神様に家を見つけてもろて、ご挨拶をしたらいよいよお雑煮とおせちをいただく時間。もちろんそこにも京都の習わしがある!
次はお正月のお料理の京都人度チェックですよ!
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上京の、形になりにくい文化(お祭・京都のおかず・伝統工芸・京ことば)の継承のお手伝いをする「京都上京KOTO-継の会」会長。
「鳴橋庵」店主。
「能舞台フェスタ in 今宮御旅所」実行委員会会長。
組紐とお抹茶体験を鳴橋庵店舗にて行っております。
合間合間に京都のお話を挟みつつ、楽しく体験していただけます。
お申込みは「鳴橋庵」HPまで。
|鳴橋庵 店主・京都上京KOTO-継の会 会長|お盆/織田稲荷/京都人度チェック/パン/氏子/十三参り
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