竹が、縮む??? ~竹で理科の実験をしてみた~ 僕は京都の銘竹問屋 Episode-16
48時間後。青テープ君、昨日よりずっと、細く丸くなっているよ。ダイエットしたのかな?
断面は全く合わなくなったね。
赤テープ君も、ますますくびれてきたねぇ。砂時計の瓶になりたいのかなぁ?
でも、断面は合ったままだね。節があるから、なんだね、きっと。
映画「すみっこぐらし」のナレーションみたいになってきましたが、「竹は縮んで丸くなる」が言いたかった、という訳です。
実験の竹は、冬場の竹で、硬くもあったので、驚愕の結果程には至りませんでしたが、
「流しそうめん」の件の写真は、水分を沢山含んだ夏の竹で、柔らかくもあったので、一目瞭然の変化をしていました。節を取らない部分も残しておいたところ、その節が歪む程の勢いで、丸くなっていました。
おそらくは、割り面から含有水分が出ていきやすくなり、乾燥する過程で作用が働く。その作用に対抗している節が除かれた事で、一気に、円に沿って安定する方向、つまり内側に向かう作用が起こり、丸まっていく。
こういう事なのだろうと想像します。
ただ、科学的根拠よりも、気になるのは竹の生命力の力強さ、です。
伐られて、大地から離れたはずである竹が、自身で動き、思う方向に進んでいこうとする。生きている姿を、変化する形から示してくれているように感じさせられます。
『水を流したら、もしかして、形が戻ったりして』と、追加の実験を試みましたが、それは戻りませんでした。
なので、そうめん流しに関しては、やっぱり、【割ったなら、すぐに使った方がいい!】
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1967年京都市生まれ。
関西学院大学法学部卒。
1915年創業の銘竹問屋・(有)竹平商店4代目、代表取締役。
NHK「BEGIN JAPANOLOGY」「美の壺」などのメディアへの出演や「第8回世界竹会議」の開催組織委員・「日本人の忘れ物知恵会議」のパネラー等を務め、日本の銘竹の美を海外・国内に向け発信する活動を行っている。
|銘竹問屋四代目・ギタリスト|竹/明智藪/嵐山/祇園祭/ギター
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