日本茶のふるさと

ところで、お茶といえば静岡県を忘れるわけにはいきません。お茶の生産量で日本一を誇る静岡県では、全国の4割近くの日本茶が生産されています。2013年には世界基準で農業システムを評価する世界農業遺産に「静岡の茶草場農法」が認定されました。いっぽうで生産量5位となる京都府では、2015年に「日本茶800年の歴史散歩~京都・山城~」が日本遺産に認定されました。日本の喫茶文化をリードしてきたこの地が「日本茶のふるさと」として認められたのです。さらに「宇治茶の文化的景観」が世界文化遺産への登録を目指している最中です。農業としてのお茶ならば静岡であり、文化としてのお茶であれば京都といったところでしょうか。

今日のベンチャー都市 京都、そして文化の町 京都は、お茶に込められた技術革新と文化の精神にその起源をたどることができます。「日本茶のふるさと」である京都山城の地は「京都人の心のふるさと」でもある。私はそう思います。

和束の茶畑 (京都府相楽郡和束町)

和束の茶畑 (京都府相楽郡和束町)

(編集部/吉川哲史)

【参考文献】
日本茶の歴史/橋本素子
千利休と戦国の茶の湯/雑誌「歴史人」
栄西「臨済宗」/髙野澄
京都のナゾ?意外な真実!/八幡和郎&CDI
400年前なのに最先端!江戸式マーケ/川上徹也

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京都府農林水産部農産課 ホームページ
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この記事を書いたKLKライター

八坂神社中御座 三若神輿会 幹事 / (一社)日本ペンクラブ会員
吉川 哲史

祇園祭と西陣の街をこよなく愛する生粋の京都人。

日本語検定一級、漢検(日本漢字能力検定)準一級を
取得した目的は、難解な都市・京都を
わかりやすく伝えるためだとか。

地元広告代理店での勤務経験を活かし、
JR東海ツアーの観光ガイドや同志社大学イベント講座、
企業向けの広告講座や「ひみつの京都案内」
などのゲスト講師に招かれることも。

得意ジャンルは歴史(特に戦国時代)と西陣エリア。
自称・元敏腕宅配ドライバーとして、
上京区の大路小路を知り尽くす。
夏になると祇園祭に想いを馳せるとともに、
祭の深奥さに迷宮をさまようのが恒例。

著書
「西陣がわかれば日本がわかる」
「戦国時代がわかれば京都がわかる」

サンケイデザイン㈱専務取締役

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祇園祭と西陣の街をこよなく愛する生粋の京都人。

日本語検定一級、漢検(日本漢字能力検定)準一級を
取得した目的は、難解な都市・京都を
わかりやすく伝えるためだとか。

地元広告代理店での勤務経験を活かし、
JR東海ツアーの観光ガイドや同志社大学イベント講座、
企業向けの広告講座や「ひみつの京都案内」
などのゲスト講師に招かれることも。

得意ジャンルは歴史(特に戦国時代)と西陣エリア。
自称・元敏腕宅配ドライバーとして、
上京区の大路小路を知り尽くす。
夏になると祇園祭に想いを馳せるとともに、
祭の深奥さに迷宮をさまようのが恒例。

著書
「西陣がわかれば日本がわかる」
「戦国時代がわかれば京都がわかる」

サンケイデザイン㈱専務取締役

|八坂神社中御座 三若神輿会 幹事 / (一社)日本ペンクラブ会員|戦国/西陣/祇園祭/紅葉/パン/スタバ

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