▲お寺でお供えを集める

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普通お盆は「ご先祖さんには早よ来てもろてゆっくり帰ってもらう」と言いますが、京都のおしょらい送りはなぜかバタバタと急かします。おしょらいさんは午前中までお家にやはるといわれるので「それやったら急がんとお昼までやはったらええやんか」と思うのですが、とても「のんびりしてもらう」という雰囲気はありません。きゅうりのお馬さんとおなすの牛は「駿馬に乗って早よ来て、鈍牛に乗ってゆっくり帰ってもらう」という意味で作るお家は多いようですが、実際やってることは違うのでどうも作る気がしません。「まぁどうぞごゆっくり。」と言いつつ、陰でその牛のお尻を鞭で打ってるような気がして…

それで、なんでそんなに急かすのかと母に聞くとこう言いました。

「早う帰らんと、ご先祖さんの位が下がるて聞いたえ。」

先着順なんですかね?ある浄土宗のお坊様に聞いたら「それはないです。」て即答されたので民間の言い習わしやとは思いますが、16日は夜の精進落としの準備もせんとあかんし、翌日からの仕事もあるしで、おしょらい送りを早いことやってしまわなあかん事情があったのやろなぁと想像してます。

そして、おしょらい送りから帰ってきたらすること。あのあらめの浸け汁を玄関先に撒くのです!これを「追い出しあらめ」と呼ぶ人もいます。これをすると一緒についてきた法界の仏さんがみなさんきれいに帰ってくれやはるそうです。無縁さんはお盆の間だけの限定接待、しかも一年限りなんですよ。すみませんねぇ。

その後は帰りしなに買ったいつものお花とおけそくさん、おはぎをおぶったんにお供えして、おしょらい送りのお土産を贈ります。「向こうで食べてくださいね」ていう気持ちをプレゼントするようなもんですね。


 

おしょらい送りのフィナーレはアレ!!

さてこれでお盆行事はおしまい、ではありません。たしかに家でやることは終わったけど、最後におしょらいさんのお見送りをせんとね!夜になるとみんなもう精進落としモードでごちそう囲んでワイワイしてるお家が多いです。そこで始まるのがアレ、五山の送り火ですよ!!次はこの送り火についてお話しようと思います。送り火点火中の1時間程の京都人の行動を含めてお伝えさせてもらいますね。

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この記事を書いたKLKライター

鳴橋庵 店主・京都上京KOTO-継の会 会長
鳴橋 明美

 
上京の、形になりにくい文化(お祭・京都のおかず・伝統工芸・京ことば)の継承のお手伝いをする「京都上京KOTO-継の会」会長。
「鳴橋庵」店主。
「能舞台フェスタ in 今宮御旅所」実行委員会会長。

組紐とお抹茶体験を鳴橋庵店舗にて行っております。
合間合間に京都のお話を挟みつつ、楽しく体験していただけます。
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