「伊達政宗と茶の湯」 茶道とは。何モノか。7
「桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞ降りける。」
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咲きて散る。桜散る木の下風は寒くはない。
空には目に見えぬ雪が降っているのだ。
紀貫之
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雪に見立てた桜の花びらが春風に舞い散る様春の情景に熱く燃える、白雪降るありさま。
「我がやどの 花見がてらに来る人は 散りなむのちぞ恋しかるべき。」
我が家は「花見がてらに」来る程度の場所でしょうから、花がなくなればあなたは来ない。私もあなたを 「散りなむのち」に恋しくなる程度の人と思いましょうか。
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凡河内躬恒(おおしこうち のみつね)
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小堀遠州:「だからこそ、われらは茶で、鬼をひとに戻すのではないか。」
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茶の湯にある心の静けさ、感情の穏やかさ、落ち着いた立居振る舞いは、正しい思考と素直な感情そのもので、茶室の静かな空間に入る前、この世の煩わしきものを置き捨てて入る。これは儀式以上のものがあり、芸術であり、理路整然とした動作であり、精神修養の実践である。礼儀というものは慈愛と謙遜という動機から生じるもので、他者の感情に対する優しさから行われるものであり、人間の豊かな感受性の表現である。真実と誠意が無ければ芝居や見せ物の類に陥る。伊達政宗は「度を超えた礼は、もはや、まやかしである。」と語っている。
「小堀遠州茶友録」著:熊倉功夫
「武士道」著:新渡戸稲造
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昭和44年(1969年) 京都 三条油小路宗林町に生まれる。
伏見桃山在住
松尾株式会社 代表取締役
松尾大地建築事務所 主催 建築家
東洋思想と禅、茶道を学ぶ。
|禅者 茶人 建築家|茶道/茶の湯/侘び寂び/織田信長/村田珠光
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