さて、いろんな要素をくっつけてきた図も説を検討してわかったことを付け加えて最終まとめをしておきます。

1.各神社の火焚祭は摂社にお稲荷さんがおられるところでされている確率が高いので、伏見稲荷さんから矢印→をつけてみました。
2.民間の個人や町内は境界線が引きにくいのでお互い重ねています。
3.「官符あり・なし」で呼び方が変わった可能性もあるのでそれも入れてみました。

簡単にするつもりがどんどん複雑になってしまいましたね(笑)表や図をつくるにつれ、起源を1つに絞るのは難しいということだけがよくわかりました。

長い歴史の中でいろんな行事のエッセンスが混ざり合い、またそれぞれの場所で変化して出来上がったのがお火焚きなんやなということに思い当たる今回の調査でした。みなさま、ここまで私の勝手な推測にお付き合いくださりありがとうございました。次回は行事の中で配られる美味しいお菓子とお火焚歌について京都人度チェックを出題したいと思います。

注:
(1)表現と典拠:「新嘗祭(収穫祭)が民間に広まったもの」→「京の儀礼作法書」岩上力著 p.202、「民間の新嘗祭の一種であるとも考えられる」→「京のまつりと祈り」八木透著 p.185、「新嘗祭の民間的祭事」→「くらしと年中行事―古都の歳時記」森谷尅久編 p.223
(2)「京のまつりと祈り」八木透著 p.188-189
(3)「分類京都語辞典」井之口有一・堀井令以知共編 p.121、「町家の京言葉分類語彙篇」寺島浩子著 p.103
(4)文化デジタルライブラリー「御神楽 宮中や諸社で奏される神楽」独立行政法人日本芸術文化振興会
(5)「地蔵盆とお火焚き」山路興造(講座・人権ゆかりの地をたずねて)p.85
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この記事を書いたKLKライター

鳴橋庵 店主・京都上京KOTO-継の会 会長
鳴橋 明美

 
上京の、形になりにくい文化(お祭・京都のおかず・伝統工芸・京ことば)の継承のお手伝いをする「京都上京KOTO-継の会」会長。
「鳴橋庵」店主。
「能舞台フェスタ in 今宮御旅所」実行委員会会長。

組紐とお抹茶体験を鳴橋庵店舗にて行っております。
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