皆さんは京都市内に地元の方から「だんのうさん」と呼ばれているお寺があるのはご存知でしょうか?
朝陽山 檀王法林寺(ちょうようざん だんのうほうりんじ)と言い、ご本尊は阿弥陀如来立像ですが、この御本尊の他に盗難や火災などから守護して頂ける「主夜神(しゅやじん)」が祀られており、この主夜神のお使い(神使)が黒猫であると言われております。
猫の中でも黒猫?一体何故?と思われる方が多いと思いますが、
はっきりとした理由はわからないのですが、恐らく当時の主流だった航海と、このお寺を開創された袋中上人(たいちゅうしょうにん)が関わっているらしいとの事。
袋中上人は明(現在の中華人民共和国)への入国が許されず、そこで明と交流があった琉球国(現在の沖縄)に船で向かいます。
古来から長旅になる航海には鼠から食糧を守る為などの理由で猫が乗っていたらしく、食糧の番人だけではなく、癒しの存在としてもあったそうです。
現在の様な船旅では無いので、恐らく航海の旅はいつも危険と隣り合わせだったと思います…。そんな時、船旅をする上人達の不安や恐怖を癒してくれたのはその一緒に乗っていた猫が黒猫で、上人さん達が凄く可愛がっていたのでそこから主夜神のお使いが黒猫になったのかも知れません。


 

年に一回の秘仏公開に行ってみた!

もともと12月4日は家族と京都に行く予定でした。
子供の頃から京都にはよく家族と来ており、コロナが大流行するまでは一人でもよく京都には来ていました。コロナが落ち着いて来たのを見計らって(緊急事態制限もちょうど解除されていました)、今年は全然京都に行けなかったから絶対に行くぞ!と決意していました笑
自分は観光地に行く時は図書館や本屋さんで本を借りたり購入して情報を集めまくるのですが、この時図書館で借りた本に檀王法林寺と言うお寺が毎年12月の第一土曜日に秘仏を御開帳されると言う事が書かれてあり、ん…?12月の第一土曜日って12月4日…?ちょっと待て!丁度自分たちが京都に行く日じゃん!?これは是非ともお詣りさせて頂きたい!と、即座に家族に連絡して、当日檀王法林寺にお参りさせて頂こうとなりました。
ちなみに檀王法林寺は京都に来た時、市バスに乗って移動している時「浄土宗 だん王」と書かれた立派な石柱を見かけていて、以前からどんなお寺なんだろう?と気になっていたお寺でした。

今思えばここから檀王法林寺とはご縁が結ばれていたのかも知れない…。
まさかここのお寺でとんでもないご縁があったとは、この時の筆者は思いもしていなかったのです…。

 

檀王法林寺の周辺を観光!

紅葉シーズンがまだ終わっていなかったこともあり、渋滞や駐車場のことも考えて早めに家を出て、朝9時頃に京都に無事到着しました。
そのまま檀王法林寺に歩いて直行しましたが、御開帳はどうやら午前11時からと言うことらしく、さてどうしようかと家族と相談した結果、八坂神社がある祇園方面に行こうと言うことになりました。
歩いて向かう事にしたのですが、やはり緊急事態制限の解除や紅葉シーズンと言う事もあり、人が多い多い…汗
ですがこれだけ人が多いと言うことは、皆さんも旅行に…京都に来たかったんだろうなあ…と、内心で同士が沢山いらっしゃる…!と謎の感動をこっそりしておりました笑
京都に来たら絶対にお参りすると決めている八坂神社に参拝し、その後は紅葉がまだ見頃と情報で知った建仁寺に向かう途中、悪縁切りで有名な安井金毘羅宮にも参拝しました。
建仁寺辺りに来ると綺麗な紅葉にテンションはMAXになり、家族や周りのお客さん達となるべく距離を取って美しい赤や黄色に染まっている木々を写真に撮りました。

いよいよ檀王法林寺へ

紅葉を写真に撮りまくった後、祇園辺りをブラブラ歩いて14時頃にお寺に再びやって来ました。
中に入ると御朱印を頂きたい方用の順番札を頂き、自分の番号が呼ばれるまで家族と共に御本尊の阿弥陀如来立像と目的だった主夜神にお参りし、阿弥陀如来立像の手の付近?からお焼香をさせて頂く所まで紐が伸びていたので、有り難くその紐に触らせて頂きました(仏様とご縁が結ばれる結縁と言うそうです)
目的だった主夜神は、阿弥陀如来立像の隣にある小さな厨子の中に安置されており、暗闇を照らす様な凛々しいお顔で自分達を見つめている様な気がしました。

御朱印

御朱印

左は「お財布用招き猫」

三重との意外なつながり

御朱印を頂いた後、住職さんに本日の御開帳のことを記事に書かせて頂きたいとお願いしたところ、快く良いですよと笑顔で了承して頂けて、内心、よ、良かったあああと号泣しておりましたが、住職さんに何処から来たのか聞かれて三重県ですと答えたところ、衝撃的なお返事が返って来ました。

「実はこのお寺三重県と縁があるんですよ。
伊勢神宮のおかげ横丁にある招き猫専門店「吉兆招福亭」ともご縁があるし、
私、昔三重県に行っていた事があるので」

え…
え、えええっ!?
こ、ここって三重県とそんなに…しかも住職さんともご縁があったんですかっ!?

もう驚きの連続で、住職さんのお話を聞いている間興奮も合わさって挙動不審になってしまいました…。
驚きのあまり固まってしまっていると、話を聞いていた家族がやって来て、住職さんと家族の三重県話がヒートアップして行きました…。
(以下その会話の流れ)

住職さん「三重県のどこから来られたの?」
家族「松阪市から来ました」
住職さん「三越伊勢丹を作った三井家の家祖、三井高利も三重県松阪出身だったよね」
家族「そうなんです!松阪市内にライオン像※1があるんですよ」
住職さん「昔伊勢方面に修学旅行で行った時、鳥羽にぶらじる丸※2って言う船があったんだけど知らないかな?」
家族「ぶらじる丸!?知ってます知ってます!」

※1 豪商三井家との縁で株式会社三越伊勢丹ホールディングスから平成27年9月に寄贈されたライオン像です。
※2 施設名称は海洋パビリオン鳥羽ぶらじる丸。1974年7月から1996年1月まで近鉄鳥羽駅の前にありました。現在はなんと中国にあるらしく、アミューズメント施設やレストランが入った海上パビリオン「湛江号海上城市」として利用されているようです。
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この記事を書いたKLKライター

マイナー京都愛好家
森川 千弦


三重県在住。
お寺や神社を巡り、その土地の歴史や歴史人物を調べる事が大好き。
オタクなので好きになったものはとことん好きになる。
刀剣や甲冑などの展示、お祭りなど季節の行事、寺社仏閣の期間限定公開、アニメや映画のモデルや撮影場所になった場所等に行って、雰囲気を感じたり実物を実際に見る事で刺激を頂いている。
王道も好きだけど、あまり知られていないマイナーな観光スポットを調べるのが好き。
京都検定三級に合格したので、次は二級合格を目指して勉強中。
漫画家、小説家デビュー目指し、自分で書いた作品を持ち込みしたり応募したりして奮闘している。


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