チンパンジーの爪切りと心電図

この日は、ジェームスの爪切りと、心電図をはかることに挑戦である。
ハズバンダリートレーニングと呼ばれるこの行為自体、当たり前に出来ることではない。少しずつチンパンジー達に慣れてもらい、たどり着けるのだ。
今回、爪切りは自ら指先を出し大人しく爪を切ってもらうことに応じていた。爪を切ってもらうことを理解しているのだろう。切ってもらうことが心地良いのだろうか安堵感がコチラにも伝わってくる。

ジェームスの爪切りの様子

ジェームスの爪切りの様子

続いては、心電図での計測である。コチラはまだ慣れていない行為で、今日はうまく測れるかなと優しそうに、ジェームスに話かけながら、センサーの先を胸にそっとあてる。

心電図を測る準備

心電図を測る準備

心電図なので暫くの間動かないで計測することが必要ではあるのだが、なかなかじっとはしてくれない。
何度かチャレンジする。その何度かはジェームスも協力する姿勢を見せるのだが、必要な計測時間を待ってじっとはしていられない。暫くすると協力するのに飽きたのか、横になったり背を向けたりする仕草を見せるようになる。
「今日はここまでだね」と言い、計測器を下げた。

心電図を測る準備

心電図を測る準備

「こういったことは無理にしては駄目で、時間をかけてゆっくり慣れて理解してもらうことが大事。トレーニングが不快なものと認識されてしまうのが一番良くないことなんです。だから今日はここまで。」
飼育体験の一日、このイベントを通していかに飼育員さんが多忙であり重労働であるかを体感し、いかに重労働の日々でありながらも動物達に愛情を持って接しているのかがよく分かるイベントだったように思う。
参加者の体験を終えた表情は疲労感などみじんもなく、とてもにこやかで満足した様子であった。

[協力]
・京都市動物園 (HP)
〒606-8333 京都市左京区岡崎法勝寺町 岡崎公園内
TEL:075-771-0210 / FAX:075-752-1974
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この記事を書いたKLKライター

動物園写真家
阪田 真一

兵庫県明石市在住

初めまして動物園 水族館 植物園 専門の撮影取材をしている動物園写真家(写真家/ライター)阪田真一です。
野生でない環境に暮らす彼らの表情や日常を始め、その飼育に関わる人や取り組みなどを取材しその魅力を伝えています。
@DIME(小学館)というWEBデジタルマガジンに、毎月『動物園』『水族館』の取材記事を掲載中。

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