犬とアートと人が交わるAce Hotel Kyoto【愛犬と楽しむ京都】

わたしはトイプードルMimiと家族で京都に住んでいます。大好きな愛犬Mimiといっしょに京都でお出かけがしたい!しかし施設、公園、寺社では犬連れが禁止であったり、それぞれのルールを守らなければならないことが多いものです。ルールが守れない場合は犬連れが禁止になるという悲しいことも。正しくルールやマナーを守って、愛犬と楽しくお出かけしましょう。

犬連れOKの素敵な場所を厳選して紹介していきたいと思います。今回はAce Hotel Kyotoです。

1.Ace HotelとStumptown Coffee Roasters、そして新風館

1992年、Ace Hotel(エースホテル)の歴史はシアトルの「Rudy’s barbershop」という理髪店から始まっています。おしゃれな「Rudy’s barbershop」が大人気になり店舗をどんどん拡大し、さらにホテル産業へ参入、これが1999年シアトルにオープンしたAce Hotelの1号店です。常識に囚われず、人と人を繋ぎ、その街のカルチャーを共に考えて体験を提供するのがAce Hotelです。京都は豊かなアートや常に進化を続ける文化、自然や優れた職人技が共存する地域、つまり、Ace Hotelのコンセプトとぴったり合っている街として選ばれ、Ace Hotel Kyotoが開店しました。 

Stumptown Coffee RoastersはAce Hotel Kyotoに出店したポートランドが発祥のサードウェーブコーヒーの代表格です。個人的には、まだ、日本にサードウェーブコーヒーが入ってくる前にサンフランシスコでブルーボトルコーヒーは行ったのですが、Stumptown Coffee Roastersは遠くて行けなかった思い出があったので、京都にできると知ったときはとてもうれしかったです。まさか先方からやってきてくれるとは。

増築棟と保存棟からなるAce Hotel Kyoto。保存棟は「新風館」といえば京都人にはおなじみのはず。1926年(大正15年)に建築された「旧京都中央電話局」がその前身です。レンガ造りの堂々たる佇まいで1983年には京都市指定・登録文化財一号に登録されています。そして2001年に旧電話局のレンガ造りの外観をそのままに商業施設として生まれ変わったのが「新風館」です。今回その新風館に新しいコンセプトで新設されたのがAce Hotel Kyotoです。増築棟では和洋折衷の魅力ある部屋となっています。保存棟は旧電話局当時の外壁や窓枠を生かした天井高のある部屋の作りとなっていますので泊まられた時にはぜひ天井の高さにも注目してくださいね。ちなみに、Ace Hotel Kyotoは犬との宿泊も可能です。

新風館とAce Hotel Kyotoの増築棟との間

2.Ace Hotel KyotoとStumptown Coffee Roastersで犬を連れて楽しめるポイントの紹介

さて、Ace Hotel Kyotoがどんなホテルか分かったところで、犬を連れで入れる場所の見どころを紹介したいと思います。

①開業当時からのルール変更

開業当初は犬が床を歩くこと、とStumptown Coffee Roastersへの入店はNG(Stumptown Coffee Roastersで珈琲をテイクアウトしてロビーで飲むことは可能でした。)でした。現在はいずれも可能になっています。これは、関西の大型ホテルでは非常に珍しく、貴重なことです。関西にも犬が宿泊可能な大型ホテルはありますが、飲食店内に一緒に犬と入ることができません。ただし、Ace Hotel KyotoもStumptown Coffee Roasters 以外のレストランに犬と入店することはできないので、注意してくださいね。 

★犬が床を直にあるいてOKです。(新風館では犬は歩いてはだめです。)
★現在、Stumptown Coffee Roastersにも犬と一緒に入れるようになりました。関西では貴重な大型ホテル内で犬と一緒に入れる飲食店です。店員さんはとても犬フレンドリーです。
(今まではロビーでStumptown Coffee Roastersのコーヒーを飲むことはOKだったのですが、Stumptown Coffee Roastersに犬連れで入ることはNGでした。)
★ホテルの宿泊には体重制限がありますが、Stumptown Coffee Roastersの店内とAce Hotel Kyotoのロビーには体重制限がありません。大型犬もOKです。

②入館方法

(ⅰ)地下鉄を利用する場合
場所は京都に住んでいる人ならだれもが驚く京都市営地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅南改札口直結です。新風館を通って、そのまま外に出ることなく入ることができます。
しかし、この場合は、新風館、京都市営地下鉄共に、犬連れで移動する場合は「犬の顔が出ないように」することがルールになっています。例えばこのドライブベッドの場合は付属の網を利用して、必ず「犬の顔が出ないように」することが必要です。カートの場合も同様です。網など中の犬が透けて見えている状態でもかまいませんが、少しでも開口部があって、犬が顔を出す状態はNGです。顔が隠れる状態にできない場合は、京都市営地下鉄に乗車できず、新風館を通過することもできません。注意しましょう。

網で完全に覆われており、網の口部もしばって閉じられて顔が出せないようにしましょう。
網で完全に覆われた上から包み込むように抱えると網のみで覆うより少し落ち着くようです。

烏丸御池駅南改札から出てすぐ新風館という出口があるので、南改札から出てこちらから新風館に入りましょう。なお、2022年10月現在、こちらは無人改札口になっています。

(ⅱ)徒歩もしくは車等で来館する場合
ホテルのフロントが面している姉小路通りから入館する場合は、入館方法に制約はありません。
床を歩いたり、鞄から顔を出した状態、カートから顔を出した状態でホテルに入館することが可能です。
天気が良い日であれば、入館前に見てほしい場所があります。

梅小路通りに立っているAce Hotel Kyotoの看板

この味があるロゴは染色工芸家、柚木沙弥郎氏のデザインです。客室にも全室共通で柚木沙弥郎氏のアートが飾られています。ルームサインなど、館内のいたるところで見られるフォントです。

③ Ace Hotel Kyotoで愛犬とのお勧めのくつろぎ方

(ⅰ)Stumptown Coffee Roastersを飲む
  コーヒーの業界のサードウェーブの代表ブランドとして知られているStumptown Coffee Roastersを愛犬とゆっくり味わうことができます。私のお勧めは以下の3か所です。

(a)Ace Hotel Kyotoのロビー席
  いつも大人気のロビー席。幸運にも空いていたら、愛犬と一緒に高い天井を見上げながらStumptown Coffee Roastersを味わってください。

ロビー天井でコミューンデザインの照明と調和するのは、京都産の杉を使った建築家・隈研吾氏による木組みです。 Stumptown Coffee Roastersのエントランスの上の大きな紺色のタペストリーも柚木沙弥郎氏の作品です。

(b)エントランス横の石のテーブルと木の椅子
エントランスの横にも素敵な木製のベンチと石の机があって、Ace Hotel Kyotoの建物の木のぬくもりを感じられて愛犬と一緒にゆっくりできます。
室内の人の行き来に落ち着かない子にお勧めです。

(c)Stumptown Coffee Roasters店内
 こじんまりした店内ながら、天井は高く、壁面装飾は信楽焼タイルの廃材を使用、窓ガラスにはアダム・ポーグが手掛けておりポジャギスタイルのカーテンがかかり、ハンドドリップで入れた珈琲のいい香りが漂う店内も愛犬とくつろげる場所です。
座席がスツールなので、犬用バッグよりはカートで行かれることをお勧めしたい席です。また、Stumptown Coffee Roasters店内も愛犬が床を歩くことは可能なので足元で待っていてもらうこともできます。

(ⅱ)ロビーの美術品を楽しむ
もしも、ソファー席や外のテーブル、Stumptown Coffee Roastersの店内の座席が空いてなかったとしても、愛犬とロビーで待つことができます。Ace Hotel Kyotoのロビーには素敵なアートがたくさんあるのです。

a.大日如来
1階エレベータホールの突き当りに光るネオンアートはHYSTERIC GLAMMERのデザイナー北村信彦氏が手掛けています。「大日如来」というテーマです。

b.おくのほそ道
フロントの後ろにあるトイレの入り口にかかっている暖簾です。
Ace Hotel Kyotoのロゴを作成した柚木沙弥郎氏の作品です。松尾芭蕉の「おくのほそ道」をモチーフに旅や人の集い・交流などを表現しています

c.ファブリックアート
鹿児島県の障がい者福祉施設・しょうぶ学園によるファブリックアートです。手刺繍を施した色・柄豊かな布をつなぎ合わせた作品はこのホテルのために作られたものです。色鮮やかで、個性的で、この作品もAce Hotel Kyotoの世界観とぴったりですね。

d. チェックインカウンター
 銅製の円形チェックインカウンターは富山県の能作というメーカーのもの。これが鋳物?と初めて見たときは二度見しました。

e.陶器壺
浜名一憲氏の陶器壺もロビーフロアにあって間近で見られます。

f.ギャラリー
ロビーの一角にあるギャラリーではAce Hotel Kyotoセレクトのアート作品を展示してます。定期的に入れ替わっているので、チェックしてみましょう。

むすびに

2022年6月に2周年を迎えたAce Hotel Kyotoは、開業当時よりますますドッグフレンドリーになっています。床を歩けるようになったり、Stumptown Coffee Roastersに入ったりすることもできるようになり、愛犬の受け入れ範囲が広くなっていました。スタッフさんも皆さんMimiを笑顔で迎えてくださいました。
近年のペットブームで関西の大規模なラグジュアリーホテルも次々と犬と泊まれる部屋を提供し始めています。しかし、関西ではほとんどのホテルが部屋に一緒に泊まれるのみで、レストランなどに愛犬は同席できません。Ace Hotel Kyotoは、ホテル内に愛犬と同席できる飲食店があり、地域の愛犬家にも開放していて、人と犬と地域を交流も大切にしているホテルであることがお勧めしたいポイントです。
10月30日(日)17:00-21:00はStumptown Coffee Roasterで5回目となるイベント「スタンプタウン アフターアワーズ」が開催されるそうです。今回は、コーヒーとお酒、そして愛犬の組み合わせです。本国アメリカのスタンプタウンで考案された特別なレシピを使い、コーヒーとお酒を組み合わせたカクテルとモクテルを提供します。ワンちゃん用のスペシャルドリンク「山羊ミルクとかぼちゃのコラーダ」と、ペーストリ―から焼きあげた手作りクッキーが用意されているようです。こちらもチェックしてみてくださいね。
今、Stumptown Coffee Roasterのレジに素敵なフライヤーが置いてありますよ。

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この記事を書いたライター

京都在住の愛犬家、毎日京都御所を愛犬Mimi(トイプードル)と散歩しています。もし、この場所が散歩できなくなったら困るな、という想いがきっかけで犬と出かけられる場所とそのルールを調べ始めました。皆さんの大切な愛犬と訪れることができるお勧めの京都をご紹介します。

|愛犬家ライター|愛犬/御所/おさんぽ