文化財を守る!和ろうそく【京都で伝活!~私たち伝統産業を愛する活動はじめました~】
新しいろうそくの文化
和ろうそくの業界も需要減少をじっと見つめているだけではありませんよ。
和ろうそくにお花の絵が描かれた「絵ろうそく」。
元々絵ろうそくは東北や北陸など雪深い地域の文化。お仏壇にお供えするお花がない冬に、それに代えて、花の絵が描かれた絵ろうそくをお供えしていました。また、豪華な絵が描かれたものは江戸の将軍への献上品としても使われていたんだそう。
その絵ろうそくを京都の和ろうそくにも取り入れ、専門の絵師さんが描かれた絵ろうそくはインテリアとして飾りたいと海外からのお客様にも人気だとか。
私もこれまでのテーブルコーディネートの提案に使ってきました。
食卓にろうそくをコーディネート。高さが出て、空間が引き締まるのでコーディネートには重要なアイテムです。
ホテルの印象的なお風呂に蓮の絵が描かれたろうそくを飾り、蓮池に見立てています。
近年には、和ろうそくの特性の自然に起こる炎のゆらぎに注目し、ゆらぎを眺めつつ瞑想するという新しい和ろうそくの魅力が生まれています。
このように新しい文化や産業を生み出し、和ろうそくを手に取ってもらう機会を増やしていかないと、原材料や道具の枯渇、それに関わる人の確保が難しくなるなどの危機が迫っていると聞きます。もちろん、それは和ろうそくだけでなく伝統産業全体に言えること。
数々の問題を提起し、関心を持ってもらい、暮らしへの取り入れ方を提案する…伝統産業の「作り手」と「売り手」をつなぐ「つなぎ手」として、私たち『おきにのうつわ』の伝活は続きます。
ハゼの話やろうそく製作の工程など「中村ローソク」田川広一さんにご教授いただきました。
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京都生まれ。祖父の代まで染屋を営み、親戚一同“糸へん”の仕事にたずさわる環境で育ち、学生時代はファッションを学び、ウェディング業界へ就職。そこで出会ったテーブルコーディネートに感銘を受け、後に食空間コーディネーターとして起業。京都の伝統産業の産地支援や、五節句や年中行事など生活文化を次世代に伝える活動を行っています。京焼・清水焼の卸売をする夫と夫婦ユニット「おきにのうつわ」を結成して、京焼・清水焼の魅力の発信や講演、展示会プロデュース、また陶磁器以外の伝統産業品のPRや観光業とのコラボなども手がけています。近年スタートさせた「伝活」では実際に京都の伝統産業品を愛でたり、使っている様子をSNSで紹介。
特非)五節句文化アカデミア 理事
|おきにのうつわ
食空間コーディネーター 工芸品ディレクター|うつわ/清水焼/伝統産業
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