豊臣秀吉が建てた聚楽第(じゅらくだい)跡にあり、大河ドラマ「光る君へ」で紫式部の夫を演じている俳優・佐々木蔵之介さんのご実家であり、公式ホームページの社員数が「25名(ネコ含む)」と表記されているくらいのネコ推しだったり。都・西陣の佐々木酒造は様々な魅力に溢れ、京都人なら知らない人はいないほど有名な酒造です。
わたしは「聚楽第」Tシャツを見た時、買おうかどうかものすごく悩んだ覚えがあります。京都好きにはたまらないワードですよね。
そんなふうに佐々木酒造さんに興味津々ではありましたが、「よく考えたら自分は飲んだことないな・・・ぜひ飲んでみたい!」と思いたち、代表的な日本酒を飲みくらべてみることにしました!わたしはお酒が大好きですが、日本酒はあまり親しみがありません。そんな人間でも楽しむことができるのでしょうか?ドキドキです。
佐々木酒造とは
佐々木酒造は1893(明治26)年に創業され、130年の歴史をもつ酒造です。室町中期の洛中(京都市中心部)に蔵元(日本酒の製造販売業者)は300軒あまり、佐々木酒造創業時には131軒ありました。しかし時代とともにどんどん減少していき、唯一残っているのが佐々木酒造です。
京都盆地には良質な水が溜め込まれています。特に佐々木酒造の周辺は古くから豊富な地下水に恵まれ、酒造り、豆腐、生麩など水に関する産業が盛んな地域でした。佐々木酒造では千利休が茶の湯に用いたと伝わる「銀明水(ぎんめいすい)」を仕込み水に使用して酒造りをされています。水・気温・湿度など、洛中における酒造りの伝統である「洛中伝承」を守りつつ、京都市産業技術研究所と共同開発した吟醸酵母「京の琴」を使用するという新しい探求なども行われています。また、酒蔵見学や京都洛中酒蔵ツーリズムなど日本酒を広める活動もされています。
「聚楽第」「古都」「美しい鴨川」「まるたけえびす」という京都らしい銘柄が並ぶなど、京都への愛を感じます。特に「西陣」には西陣織の金襴で装飾されておりとても華やかです。お土産にもぴったりですね。
Xのアカウント @kouribu には2万超のフォロワーがおり、ほんわかするポストや、かわいいネコ社員画像などで人気です。
佐々木酒造HP https://www.jurakudai.com/
お酒を選ぼう
それではお酒を買うぞ!と意気込んで佐々木酒造にやってきました。立派な木造建築なので、のれんをくぐるのになかなか緊張します。勇気を出して入店すると棚にお酒がずらっと並んでいました。どのお酒を飲もうか悩みます。私のような日本酒ビギナーはどのように選べばよいのでしょうか?
店員さんに聞く
店頭で10分くらいうなりながら悩んでいたら、見かねた店員さんが声をかけてくれました。「日本酒をあまり飲んだことがない初心者で・・・」と打ち明けたら、「福実鳥(ふくみどり)」というお酒が甘口で飲みやすいですよと教えていただきました。日本酒には「甘口」「辛口」という選び方があるんですね。ワインみたいです。よく見ると店頭の値札にも書いてあります。
「淡麗」「濃醇」という文字もありますが、どういう意味なんでしょう?淡麗は「すっきりと滑らかな様子」濃醇は「口当たりや味が濃厚でしっかりしている様子」をあらわしているとのことでした。なるほど~。ちなみに店員さんのご説明からはお酒への熱意が溢れ出ていてとても良かったです。
試飲してみる
店内の奥に「試飲コーナー」を見つけました!是非いただいてみましょう。
試飲コーナーには机や椅子があり、ゆったり楽しめました。でも、時期や曜日で混み具合も様々だと思うので、基本的には荷物は少ない状態で伺ったほうがいいと思います。
店内には佐々木蔵之介さんのポスターもたくさん。熱心に撮影されるファンの方もちらほら見られました。
試飲をするためには「試飲コイン」が必要です。レジで試飲のお願いをするとワンコインで試飲コイン2枚とおちょこを買うことができます。そして「試飲ガチャ」を利用すると試飲コイン3枚とお楽しみグッズが出てきます。これがかなりお得なんです。
試飲ガチャを2回試したところ、「ミニリキュール」と「にゃんこいっぱいノート」が当たりました!ミニリキュールが結構しっかりしたサイズで驚きです。非売品のネコ社員グッズも嬉しすぎ!!ネコ社員ステッカーはレジでメダルを購入した際にいただきました。至れり尽くせりです。3回目もやりたかったのですが、すでに8杯飲んでおり、べろべろになりそうなので我慢しました。
日本酒飲みくらべレポ
わたしはお酒が大好きで、毎週末は缶チューハイや発泡酒、たまに果実酒もたしなみ、お酒にはそこそこ強い方です。しかし種類や飲み方には全く詳しくないので、スーパーで手に取りやすいものを買うことが多いんですよね。日本酒はちゃんとしたお食事の席とかイベントで触れたことがあるくらいで、なかなか自分のために買おうというまでには至りませんでした。
このような日本酒ど素人のわたしですが、初心者としての感想を素直にレポートしたいと思います。また、書き始めてからあまりにも表現力がないことに気づき落ち込みましたので、佐々木酒造の広報である原口さんから補足コメントを入れてもらいました。お酒に詳しい方はそちらもご参照くださいね。
それでは「聚楽第」「平安四神ブルー」「福実鳥」「古都のリキュール 檸檬」を飲みくらべます!
聚楽第(じゅらくだい) 純米大吟醸
【お酒の性格】辛口 濃醇 アルコール度数16度
佐々木酒造さんといえば「聚楽第」ですよね!前から気になっていた聚楽第をはじめて飲んでみました!それではいただきます。
上品なお味です。これはきっとちびちび飲むものなんだなという強さを感じます。クセがない味わい。おちょこ2杯目ではお酒自体の甘さをなんとなく感じてふわふわしてきました。
昔、一般的な安価な日本酒を飲んでみた時、飲みにくいな、苦手だな~と感じてしまったことがあるのですが、すごく飲みやすかったです。良い日本酒って飲みやすいんでしょうか?
隣で試飲されているお姉さま方のほうから、「めっちゃ飲みやすい!すぐ無くなる!!」という叫び声が聞こえてきました。同意見です。
《原口さんコメント》
京都産の「山田錦」、京都で生まれた「京の琴」酵母、地下からコンコンと湧く良質な京都の地下水…オール京都のお酒です。京都の地酒は京料理の文化とともに歩んできた味でもあります。和食の繊細な味に寄り添い、時には引き立たせる…主張しすぎないためお酒だけでもすごく飲みやすいのが特徴です。酒米を40%まで精米、つまり半分以上削り雑味が少ないのもスルリといけるポイントの一つです。
いわゆる少し価格帯が上のものは高精米、低温長期発酵など何かと手間暇がかけられていることがほとんどです。そういうお酒はクセが少なく透明感があるタイプや香りが豊かなタイプも多いので、勇気がいると思いますが、苦手な方こそ少し良いお酒から挑戦するのもオススメです。
平安四神ブルー 吟醸
【お酒の性格】辛口 淡麗 アルコール度数15度
パッケージがかっこいい「平安四神ブルー」を試飲してみます。さっきの聚楽第が濃醇で、こちらが淡麗とのこと。どう違うのでしょうか?それではいただいてみます。
・・・あっ!フルーティーだ!!聚楽第よりかなりスッキリしたお味です。より飲みやすいですね。塩辛いおつまみだけじゃなくて、スイーツとか甘いものにも合いそうな気がします。
《原口さんコメント》
こちらは「吟醸酒」なので水・米・米麹が原材料である日本酒に、醸造アルコールを加えています。香りの成分はアルコールにとても溶けやすく、スッキリとした味や香りが豊かになるためです。さらにきれいで淡麗なお酒になる酒米「五百万石」を使い丁寧に造っています。そのためグイグイいけてしまうのでキンキンに冷やして夏にもオススメしたい1本です。
福実鳥(ふくみどり) 古都 特別純米
店員さんからオススメされたので福実鳥を買って帰り、家でゆっくりと飲んでみました。
柔らかいけど・・・後からしっかりお酒感がきます。冷やして飲むととても美味しいです。「これは何味って表現すれば良いんだろう・・・」と考えていたら3杯くらいいっていました。手酌が進みます。
あたりめと一緒にいただいたのですが、永遠に飲めます。YouTubeとか見ながらずっと一人飲みできます。あたりめってこんなに美味しかったっけ?日本酒って食べ物をより美味しく感じさせる効果もあるんですね!
また、「日本酒は少量でもしっかり酔えるものなんだな」という発見がありました。缶チューハイは手軽に飲めるけどあんまり酔えなくて残念と思っていたので、お酒好きのわたしには嬉しい限りです。
気が付けば、飲み続けて1時間経っていたので福実鳥の検証を終了します。
《原口さんコメント》
こちらも京都産の山田錦を100%使用し、精米歩合が65%ということで特にお米の旨みや甘みがわかりやすい仕上がりになっています。味の濃いおつまみとちょうどいいかもしれませんね。穏やかで柔らかいため飲みやすいと社内でも好評です。冷やすとやや甘口、常温はやや辛口に感じるため、日本酒の温度を変える楽しみ方も気軽に試してみてください。
古都のリキュール 檸檬
パッケージのイラストがかわいくて、しかもわたしの好きなレモン味、「ぜったい飲んでみたい!」と思っていた古都のリキュールです。アルコール度数がびっくりするほど高く、炭酸と1:1で割るのがおススメとのことでしたので、他のものも試してみることにしました。
ソーダ割りは、檸檬の芳醇な香りと、爽やかさを楽しめます。ジュースみたいな気持ちで飲んでしまうとかなり早く酔います。こんなにカワイイのに、ギャップがすごいです。舌の上から体温が上がるようで、めちゃめちゃ強いお酒だなと感じます。
次は「午後の紅茶」で紅茶割りにしてみました。お味ですが、めっちゃ美味しいです。途中で「美味しいはずだ、これはレモンティーじゃないか」と気づきました。飲みすぎてしまいそうです。
そして牛乳割り。リキュールに牛乳を注ぐと、凝固してヨーグルトみたいになってしまいびっくりしました。化学反応なんですね。まろやかでトロトロですが、お酒の美味しさではなくなってしまい、失敗です。
最後に、ハーゲンダッツ(バニラ味)にかけてみました。こってりしたバニラアイスより、あっさりなシャーベットの方が檸檬ともっと合いそうなので、今度試してみたいです。
《原口さんコメント》
瀬戸内産レモンを贅沢に丸かぶりしたような、あえて皮の苦味も残しているちょっとオトナなリキュールです。(レモンを丸かぶる方もなかなかいないとは思うのですが)
香りが爽やかでいくらでも飲める味わいですが、ストレートだとアルコール度数25%のため飲み過ぎ注意です(笑)砂糖を控えめにしてあり、コーラやパインジュースなど甘いジュースとのアレンジもしやすく、お好みの味を作ることができます。
ラベルイラストのテーマでもある「あなたのための一杯」を楽しめるお酒です。お友達と持ち寄った割材で楽しく飲んでもらえたら!
今回は4種類を飲みくらべましたが、試飲コーナーで「カレーに合うお酒」と紹介されていた「まるたけえびす」など、他にも気になるものがいっぱいです!
広報の原口さんからメッセージ
佐々木酒造では昔ながらの伝統的な銘柄はもちろん、アニメ・ゲームとのコラボや猫ラベル、お酒や酒粕を使ったお菓子など次々と新しい商品開発に力を入れています。
以前は非公開だった蔵見学も、今はもろみを間近で見ることも可能です。(もろみは冬季のみ)この味を守り次の時代に繋げるために「誰もが何度も楽しめる酒蔵」を目指しています。雰囲気ものんびりしているので初めての酒蔵にオススメです。二条城も近いので京都観光のついでにぜひどうぞ。
そして、なにか日本酒に惹かれるものがあったら次は地元の酒蔵にも足を運んでみてください。
おわりに
百聞は一見に如かず。有名でよく知っている気がしているところでも、実際に体験すると新鮮な驚きがありますね。京都にはたくさんの名所や観光地があり、京都に住んでいても回りきれないくらいです。今回は前から気になっていた佐々木酒造さんのお酒を体験することができました!皆さんもどんどん体験してみてくださいね。そしてぜひ佐々木酒造さんの酒ガチャをやってみてください!