連載企画「京都カーストは本当に存在するのか」が始まります

京都には「上・中・下」という地域が存在するらしい。上京区・中京区・下京区のことで東京の都心3区(千代田区・港区・中央区)のような考え方だ。曰くそれ以外のエリアは「京都」ではないと。より厳密に言うと北は今出川通、南は五条通、東や東山(東大路)通、西は千本通(大宮通)に囲まれたエリア(地図内の赤枠)に限定されるようだ。郊外?の住民は、京都市中心部に行くのにわざわざ「京都へ行く」と言ったりする(京都上ル下ルまっぷからの引用文)。

まだ『田の字地区』という言葉もなかった今から20年前にKyoto Love. Kyoto(KLK)編集長はこんな地図を作っていました。

京都上ル下ルまっぷ
※田の字地区・・・北は御池通、南は五条通、西は堀川通、東は河原町通(地図+簡易路線図を作成)に囲まれた地域です。不動産業界から出た言葉だと思いますが、東西と南北に私鉄や地下鉄が走り交通の便がよく、烏丸のオフィス街や髙島屋さん、大丸さんなどの百貨店もあり地価が高いエリアです。この田の字地区の北にはこちらも「御所南」というブランド住宅街が隣接します。

田の字地区やこのマップよりはるか昔から京都には行政区やエリアのヒエラルキーのようなものが存在してきました。インドでのヒンドゥー教の身分制度になぞらえて「京都カースト」と呼ばれたりもするようです。検索してみたらいろんな記事や動画が見つかりましたよ!京都内外のブロガーさんに不動産会社さんも加わってランキングが煽られているような気がします。

でも誰しも自分が住んでいる区や街を勝手にランク付けされて、ましてやそれが下位の方だったら嫌な気がしますよね。そういう編集長も伏見区民ですのでこの京都カーストではいつも下位に沈む行政区に住んでおります。いや仮に自分が住んでいる行政区やエリアが上位にランクされてもなんだかこそばゆい気がするかもしれません。しかしこのアンタッチャブルなテーマに地元愛で斬り込んでいこうというのがKLKなのです。

都心部に憧れながらもやっぱり地元!という、イソップ寓話の「田舎のねずみと町のねずみ」の主人公、田舎ネズミの気概で「京都カースト」へのアンチテーゼを提唱したいと思います。「私の住んでるところはこんな街なんだけどさ、でもそこが好きなのよ」みたいな地元愛に依る自虐と自慢にちょっとウィットを利かせた記事を不定期に少しずつ連載してまいります。ルールはその街に住んでいるライターが自身の主観で書くことです。伏見区民の編集長も下克上を図るべく今からペンを磨いておきます。

そして記念すべきシリーズの第1回は西京極編です(2024年4月12日公開予定)。「京都カーストは本当に存在するのか」連載企画を通じて京都のエリア談義を大いに盛り上げたいと思っています。

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この記事を書いたライター

 
三若神輿会幹事長として、八坂神社中御座の神輿の指揮を執る。
神様も、観る人も、担ぐ人も楽しめる神輿を理想とする。
知られざる京都を広く発信すべく「伝えたい京都、知りたい京都 kyotolove.kyoto」を主宰。編集長。
サンケイデザイン代表取締役。

|三若神輿会幹事長|祇園祭/神輿/八坂神社/裏側/深い話