【実力編】つまらない単純作業をこなして、プロになる【京都でゼロから学生起業】

さて、前回までであなたは人脈を作り、個人で仕事をできる状態となりました。
次に直面する問題は〝何を受注しようか?〟ということです。もし、あなたに仕事として受注できるスキルがあれば、それを売りにしてみてもいいかもしれません。

問題は、ない場合です。
悲しむ必要はありません、むしろチャンスなのです。
これまでにも述べてきたように〝誰でもできるけど、誰もやらないこと〟を扱えばいいのです。
例えば事務作業や書類作成など。これはめちゃ面倒ですし、自分で仕事をする人は大体悩まされています。私自身もとても嫌いです。

だからこそ、お金を払ってでも人に頼みたいと思うわけです(単価は低くなりますが)。

手始めにこの事務作業や書類作成を受注してみましょう。最初は時間がかかります。ですが、経験を積んでいくとどんどん処理時間が減っていきます。

個人で仕事を受注するのは、大体は1件いくらでの報酬になります。
1件1万円のお仕事を、最初は完了するのに10時間かかって、時給1,000円での処理になるかもしれません。
ですが、経験値を積んでこの時間を5時間にすれば時給2,000円、2時間にすれば時給5,000円になります。なかなかの高給ですね。

つまらない仕事でも、突き詰めるとプロになります。仕事を始める1歩目は、実はなんでも良いんです。

沢山失敗して、自分の自転車を組み立てる

とはいえ、そんなにとんとん拍子で時間的な効率が上がることはありません。何も考えずにただ受けた仕事をこなすだけだと、上達には長い時間がかかります。今回は、時間効率を上げていくための仕事のコツをお伝えします。

それは、〝仮説を持って取り組むこと〟です。

よく、仕事でも勉強でも、がむしゃらに取り組む人がいます。何時間やろうだとか、何日間みっちりやろうだとか。

やらないよりは良いのですが、これは効率の良いやり方とは言えません。移動に例えるとわかりやすいです。
最初のやり方でがむしゃらにやり続けるということは、生身で走り続けるランニングに近いです。
近い場所であればランニングでもいいのですが、遠いところになるとどうしても効率は悪くなります。
それよりも、最初のうちに自転車を組み立てておいて、あとは自転車に乗って移動をした方が、長期的に見ても長い距離を移動でき、かつ疲れにくくなります。
仕事でも同じことが言えます。自転車を作る、に該当することはいろいろありますが、例えば仕組み化です。例えば、マニュアルを作るなどがあります。

100回同じ作業をするとして、単純に100回こなすのも悪くないです。
ですが、最初の10回を少し時間かけて、毎回「こうしたら効率的に早く終わるかも?」「これは1回目と同じだから、毎回作るよりも最初に作って転用した方がいいのかも?」と仮説を立てて取り組むと、その後の90回が格段に早く終わったりします。この最初の10回が〝自転車を組み立てる作業〟ですね。

起業をはじめとする、新しい挑戦についても同じです。毎回失敗するとしても、何も考えずに失敗するよりも、仮説を持って毎回失敗すれば、その分失敗したデータが得られます。失敗するパターンを全部回避すれば残るのは成功ですから、いつかは成功するわけです(もちろん、現実においては諦めることも必要ですが)。

よく自己啓発本などで、〝10回に1回の法則〟と言われたりします。これは、「本気で成功すると思って取り組んでやったら、最初の9回はダメでも、10回目は必ず成功する」というものです。この言説は、まさしく仮説を持って取り組むことの大切さを説いています。
最初から成功できる人なんてほとんどいないわけです。なのに、世の中には、圧倒的な速さと効率で仕事を進められる人がたくさんいます。彼らと私達の違いは、持って生まれた才能だけではありません。それよりも〝本気で取り組み、失敗してきた〟経験値の差です。失敗するパターンが頭の中にたくさんあるため、それを避けて動くことによって効率の良い仕事ができているわけです。さらに、これまでの仕事でうまくいってきた方法を応用し、どんどん自分なりのノウハウを積み上げていくことでさらに仕事が早くなります。

大いに悩み、たくさん失敗することで、自分の自転車を組み立てましょう。

自分の頭で解決しようとしない。
本を読む、人に聞く、調べる、小さく試して失敗してみる

ただ、仕事でもなんでもですが、やり続けると解決できない問題に直面して行き詰まることもあると思います。

行き詰まった時に、自分の頭の中だけで悩み続けるのは得策ではありません。行き詰まるということは、目の前の問題を解決するのに、自分の知識、実力が足りないわけです。
例えるならば、ドライバーでゆるめる必要があるネジを、「どうやって素手で取ろうか?筋トレする?爪を伸ばす?」と悩んでいるような状態です。悩むよりもさっさとドライバーを取ってきた方がいいわけです。

私たちが行き詰まる問題というのは、大体誰かが、似たような問題に先に行き詰まっています。そして、現代ではその問題の解決方法を発信してくれています。ですから、その情報にアクセスして解決方法を真似しましょう。調べる媒体は、本、YouTube、人に聞く、実験をしてみる……なんでもいいです。問題のネジ穴にピッタリとハマるドライバーが大体あります。

また、問題を解決しようしていろいろな媒体を調べていくと、「今はこんな情報は要らないんだよな……」という情報も目にすることになります。これに要した時間は、一見無駄なようにも見えますが、そんなことはありません。無駄な情報だとしても、1度目にした情報は、頭の片隅には残ります。

きっと今後も、また別の問題に直面します。その時にしばしば、「あの時調べた時に、なんか解決方法が書いてあった気がするぞ……?」となります。問題に直面するたびに調べていくことで、知識の貯金ができていくわけです。

問題が起きたら、悩むよりも調べる。これを徹底すると、とても生きやすくなると思います。

理論的ポジティブ、戦略的ネガティブになる

また、仕事において、よく「ポジティブになりましょう!」と言われることが多いと思います。これはとても大切なことで、何かをやる前から、「どうせできない」「どこかで失敗する」という思考になってしまうのはすごくもったいないです。それよりも、「とりあえずやってみよう!」というマインドの方が活動的になれますし、何より楽しいです。
ですが、ポジティブのみでお金になり軌道に乗ることはありません。やはりそんなにうまくはいきません。

というより、ポジティブはいいんです、が、
ポジティブと楽観的を一緒だと考えてしまうとまずいです。

何かを始める時は躊躇なく始めても大丈夫なのです。しかし、仕事となると必ずといっていいほど問題が生じます。しかもとても沢山。さらに、都合の良い仮定はことごとく裏切られ、気がついた時には首が回らなくなっていることがたくさんあります。

例えば資金調達。アテにしていた人が直前になって「ごめーん、他の事業がしんどくなってそこに現金を投じないといけなくなって……」と言ってくる。
自分はすでに登記も済ませ、店舗の物件も決まっているのに……
こうなった場合でも、相手を恨むことはできませんし、恨んでも何かが解決することはありません。
個人で仕事をするということは、常にこのようなリスクと隣り合わせになります。

ですが、これはそもそも、他人の資金をアテにしていたことから起こった問題とも言えます。
お金なんていくらあっても足りない中で、他人のものを勝手にアテにして、「大丈夫だろう」と考えていたことが引き起こした問題です。

これはポジティブではなく楽観的です。目の前にあるリスクを考えずに、良い予想だけを信じて進んでもいいことはありません。

物事が確定するまで、どんなことでも油断せずに第二、第三の戦略を練っておきましょう。これは資金調達のみならずどの仕事でも同じです。

つまり、〝うまくいくかどうか?〟という理論については、あまり考えずにポジティブな気持ちで大丈夫です。ですが、始めた後の戦略を考える時には、〝万が一に備えて……〟という思考でさまざまな準備をしておきましょう。

こうすることで、受注した仕事が未遂になることは圧倒的に少なくなります。むしろ、余計に準備をしていたことで、先方のアクシデントにも対応できるかもしれません。
仕事の受注先がトラブルを起こした時に「余裕あるんで助けられますよ!」と言うことができたら、きっとその受注先は今後もずっとこちらに仕事を振ってくれることになるでしょう。

仕事をする上で、あらゆる準備を徹底することは大きな強みになります。しかも、準備をするだけなら誰にでもできます。けれど、面倒くさがって誰もやりません。
まさに〝誰でもできるけど、誰もやらない〟ことなのです。

つまらないことを極めることで、単純作業を効率的にこなし、誰でもプロへと成長することができます。ぜひ、今日から実践してみてください。

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この記事を書いたライター

愛知県の一般サラリーマン家庭に生まれ育ち、大学から京都に移住する。元々教育に興味のあったことから学習塾でアルバイトを始める。その後、アルバイト先の会社から話をいただき、18歳時で大学を休学して学習塾の教室長を務める。その後、複数の教育系会社の運営補助、コンサルティング等で生計を立てつつ、京都、滋賀、奈良で飲食、補助金などの新規事業の創設に携わっている。専門分野は補助教育、人事採用など。

|BRANCH SCHOOL プロデューサー|学生起業/京都移住/教育