京都がより一層輝きを増す紅葉シーズン。寺社や古い街並みと紅葉の共演には、他の地域にはない独特な美しさがあります。
筆者は、4年ほど前に東京から京都に移住してきました。東京のビル群の間を彩る紅葉も美しいですが、寺社や山々と合わさった京都の紅葉には、移住してきた最初の秋にとても感動したのを覚えています。
本記事では、筆者が京都に移住してきてから見つけたお気に入りの紅葉スポットを、洛北エリアを中心にご紹介します。
京都市内の有名な紅葉スポットは、少し山のほうに行く必要がある場所が多いです。しかし今回ご紹介する洛北エリアのスポットはどこも、街中にひょっこり現れる場所ばかり。京都市内の街歩きのついでに、ふらっと訪れやすい場所を選びました。
京都市内でちょっと人とは違う紅葉スポットを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
その1.北大路橋近くの賀茂川沿いの紅葉たち
賀茂川も、京都に移住してきてすぐに好きになった場所の1つです。私は京都移住後も定期的に東京に帰っていますが、東京から京都に帰ってきたときに新幹線の窓から鴨川が見えると、「あー京都に帰ってきたな」とホッとします。
この川は、下流では鴨川、上流にいくと賀茂川という表記になります。鴨川のなかでも、特に四条大橋近辺は常に多くの人でにぎわっており、夏には川床を楽しんだり、季節を問わず食べ歩きをしたりしている観光客の方々が集まっています。
一方今回ご紹介する賀茂川の北大路橋あたりになると、観光客はグッと減り、地元の方々の憩いの場になっています。私はこの北大路橋周辺の落ち着いた雰囲気が大好きです。
トランペットやバイオリンを練習する人、ランニングやサイクリングをする人、ベンチで読書をする人、芝生に座ってピクニックをする人。それぞれが思い思いの方法で賀茂川を楽しんでいて、いつ行っても緊張していた気持ちがゆるむような、不思議なパワーを感じられる場所です。
川沿いの道を歩いたり芝生のベンチで休憩したりも良いですが、おすすめは北大路橋の上から眺める川全体の風景。
特に紅葉の時期には、川の両サイドに点在するもみじやイチョウなどの美しい色合いを俯瞰で眺められます。京都の山々と澄んだ賀茂川の水が合わさった景色は、まさに「山紫水明(さんしすいめい)」そのもの。近くでじっくり見る紅葉も良いですが、賀茂川と合わせた広範囲での紅葉を楽しめるのも、京都ならではだと思います。
その2.堀川通のイチョウ並木
京都に移住してきてすぐに、すでに京都に住んでいた友人におすすめされた印象的な紅葉スポットが、堀川通のイチョウ並木です。
このイチョウが並ぶのは、大きな堀川通の真ん中にあるせせらぎ公園です。車通りの激しい堀川通の真ん中にありながら、この公園に来るとびっくりするくらい落ち着いた雰囲気でリラックスできます。
筆者が移住してきたのは初夏でしたが、その頃友人とこの並木の横を歩いて、「秋にはイチョウが色づいて、ものすごくきれいな景色が見られるよ」と言ってくれてワクワクしました。その数ヶ月後、実際に黄金色に色づいたイチョウたちを見て、友人が勧めてくれた理由がわかりました。
イチョウの黄金色と、秋ならではの高い青空とのコントラストは、どこを切り取っても写真映え抜群。青と黄色の組み合わせは、爽やかで気持ちが良いですよね。
日中の鮮やかな青空とイチョウも良いですが、おすすめは早朝です。まだ堀川通に車通りが少ない早朝に見に行くと、冷えた空気のなかで目の前にイチョウがパーッと広がって、一面の美しい黄金色を堪能できます。ぜひ早起きしてこの黄金色の絶景を味わっていただきたいです。
その3.水火天満宮
上京区の天神公園のすぐ隣にある水火天満宮(すいかてんまんぐう)。地下鉄烏丸線の鞍馬口駅からは歩いて15分ほどの場所にあります。菅原道真を祭神とした、小さな可愛らしい神社です。
この神社の境内には2本の大きな枝垂桜があり、満開になると頭上からピンク色の花びらのシャワーが降り注ぐようでとても美しいです。この枝垂桜が有名な水火天満宮ですが、実は鳥居のすぐ横にあるもみじもとても美しいのです。
境内の提灯は夜になるとライトアップされ、もみじと合わさると何とも幻想的な雰囲気に。ちょっと仕事に行き詰ったときなど、ふらりとこのもみじに癒されに来る、小さなお気に入りスポットです。
京都でMYお気に入り紅葉スポットを見つける楽しみ
いかがでしたか?今回は筆者が特別思い入れのある洛北エリアの紅葉スポットをご紹介しましたが、京都にはもっといろいろな美しい紅葉が数えきれないほどあります。有名な観光名所はもちろん、ちょっとした路地や川沿いなど、思いもかけない場所にある紅葉を偶然見つけるのも、秋の京都旅行の楽しみかもしれません。
ぜひお気に入りの紅葉スポットを探しながら、秋の京都を歩いてみてくださいね。