THEATRE E9 KYOTO

2019年夏、京都に新しくできる劇場をご存知ですか?

その新しい劇場の名前は、「東九条=East 9」という地名にちなんでつけられた「THEATRE E9 KYOTO」(シアターイーナインキョウト)。

THEATRE E9 KYOTOの模型

THEATRE E9 KYOTOの模型

既に9月から来年(2020年)3月までは公演予定で埋まっており、ほぼ毎週末この劇場で演劇やダンスなどの作品が上演されることになります。

すでに京都市は芸大移転計画に伴い「京都駅東南部エリア活性化方針」を発表しており、今後、地域と芸術の共生によるまちづくりへの期待も高まっています。
まさにその先駆けとなる小劇場のスゴさを、ぜひ下記の動画で体験してみてください。

「小劇場」の危機!?

先述前回の記事で述べたように『「南座」新開場!』、2016年の『「ロームシアター京都」(京都会館)リニューアルオープン!』といった劇場に関する華やかな話題が続いている一方で、市内で5つの小劇場が立て続けにクローズしてしまっているのです。

中でもその中心的な役割を果たしてきた「アトリエ劇研」(旧「アートスペース無門館」)が一昨年8月にその33年の歴史の幕を閉じたことは、「日本の舞台芸術にとって大きな損失」として、業界だけでなく社会的なニュースとして多くのメディアでも報道されました。

そうした小劇場閉鎖の原因は「オーナーの高齢化」にありました。つまり「小劇場文化」が衰退してきたからではなかったのです。実際、これらの劇場の利用率は大変高く、特に「アトリエ劇研」は、ここ数年ほぼフル稼働状態でした。

新たな小劇場をつくるプロジェクト

そのような「小劇場文化の危機」を打開すべく、一昨年(2017年)、「京都に100年続く、新しい小劇場をつくる」プロジェクトが始まりました。
場所は京都駅直近の東南部エリア「東九条」。

2023年に同エリア北側に全面移転が予定されている「京都市立芸術大学から徒歩5分ほどの距離にある、鴨川沿いに面した倉庫物件をカフェとコワーキングスペースを併設した客席数100席ほど小劇場としてリノベーションするという建設計画です。

このプロジェクトが立ち上がった当初、高額な建設費(約1億5千万円)はすべて民間から募らなければならず(日本では民間の劇場建設に対する公的な補助金や助成金制度は一切無い)、その実現を危ぶむ声も多くありました。

ところが「京都の小劇場の危機を救おう」という声は全国に広がり、これまでに2回の高額クラウドファンディング(計約3千万円)を達成。その他にも多くの企業や個人からの多額の資金援助を受け、今年(2019年)の夏にオープンすることが決まりました。

是非皆さん、一度足をお運び下さい!

コワーキングスペース

コワーキングスペース

楽屋は畳敷きに。

楽屋は畳敷きに。

建物内にはカフェもあります

建物内にはカフェもあります

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蔭山 陽太

1964年、京都市生まれ。
大阪市立大学経済学部(中退)。
86年〜90年、札幌市内の日本料理店にて板前修行の後、90年〜96年、株式会社「俳優座劇場」劇場部。
96年〜2006年、「文学座」演劇制作部。02年に企画事業部を新設、同部長。翌年、演劇制作部を企画事業部に統合、同部長。
06年〜10年、長野県松本市立「まつもと市民芸術館」プロデューサー/支配人。
10年〜13年、神奈川県立「KAAT 神奈川芸術劇場」支配人。
13年〜18年、京都市立「ロームシアター京都」支配人/エグゼクティブディレクター。
19年〜「THEATRE E9 KYOTO」支配人。
19年〜「京都精華大学」非常勤講師。
17年〜「一般社団法人アーツシード京都」理事。
18年〜「寺田倉庫」京都エリア担当プロデューサー/コーディネーター。
98年度、文化庁在外研修員(ロンドン)。

                                   

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