前回のあらすじ

年齢不詳、父親の候補は3人、出身地も美濃国内のどこなのかは「?」と、明智光秀の生い立ちは怪しさ満点。文武両道+教養+イケメンのハイスペ男子として成長しますが、その前半生は諸国を放浪し辛酸をなめる日々。そんな光秀に人生の転機が訪れます。キッカケは政略結婚の仲人でした。なんのこっちゃ?

光秀と信長のなれそめ

光秀と信長。この数奇な運命をたどる2人が出会うためには、もう一人キーパーソンが必要です。足利義昭なる男、後の第15代室町幕府将軍です。ちなみにアニメ「一休さん」に登場するお茶目な将軍さまは室町幕府第3代の将軍です。足利義昭は、その将軍さまの100年くらい後に登場します。しかし、信長と出会うまでの義昭は命を狙われる身で諸国を逃げ回っていました。そんなザ・逃亡者がどうして将軍になれたのか?そのへんの話をマジメに語ると、モロ日本史の教科書的になって眠たくなるので、しばし妄想の世界に入っていただきます。

さてさて、時は昭和初期の日本。
ここに大地主で代々村長をつとめる名家の当主Aがいました。いっぽう小作人の中に一攫千金を夢みて都会へ飛び立った男Bがいました。やがて戦争が終わり世の中は一変、地主の土地はすべて取りあげられAもスッカラカンに。かたやBは商売が当たりドリームズ・カム・トゥルー。今や会社の社長です。Bはさらにビッグプロジェクトを目指して資金を集めようとしました。

しかし、銀行の融資がおりません。理由は「成金あがりのBには人間的信用がない」とのこと。お金と商才はあっても信用がないBに対し、腐ってもタイ、お金はなくとも信用だけは抜群のA。そこで銀行がA家とB家の縁談をもちかけ、めでたく婚儀が成立。両家の利害はみごとに一致しました。ここで悲劇のヒロインとなったのが無理やりB家に嫁入りさせられたA家の令嬢・・・と、まるで一昔前の昼ドラのようなストーリーです。

はい、妄想はおしまい、話を戦国に戻しますね。
妄想世界の名家Aが足利義昭、成り上がりのBが織田信長。そして両家を結びつけた銀行が明智光秀ということになります。

 
 
 

秀吉より早く出世した男

将軍になりたい男・足利義昭には足利将軍家の末裔という権威はあるが、お金も軍隊もない。一方の信長にはお金と軍隊はあるが権威がない。そこでこの2人が組めば、お互いの足りないものを補いあい、怖いものなしコンビの誕生となります。信長と義昭、そして光秀の3人は堂々と京の都へ入り、義昭は念願の室町幕府将軍の座に。信長も義昭の後見人の立場を利用し、各地の大名へ命令を下すようになりました。ここからいよいよ京都を舞台としてドラマは進みます。

仲人の大役を務めた光秀はその功績により織田家の重役として迎えられました。事実上の京都奉行に抜擢され、京都の政治をみることになります。同時に天皇をはじめとした朝廷との交渉役も担うなど、都に入ってからの光秀はめざましい活躍をします。もちろん武将として戦にも出陣し戦功をあげ、ついに一国一城の主となります。豊臣秀吉といえば日本一出世した男として有名ですが、光秀は秀吉より後から織田家に入ったにもかかわらず、秀吉よりも出世が早いのです。それどころか、多くの先輩重臣の誰よりも早く城を与えられたのです。信長は光秀の能力を愛で、光秀はそれに応える。織田家に仕えてからの光秀は順風満帆そのものでした。ここまではね。

なお、この間に信長と義昭の関係が悪化し、義昭は最終的に京都から追放され、室町幕府は滅亡。また、その過程で有名な比叡山延暦寺の焼き討ち事件もありましたが、そのあたりを書きだすとタイトルの「光秀をサクッと知る」にならないので割愛させていただきました。


それでは次回、いよいよ運命の一日「本能寺の変」に突入します。(たぶん)2週間後にまたお会いしましょう。

(KLK編集部 吉川哲史)

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