師走の京都は「顔見世(かおみせ)」を前にそわそわした気分です。かくいう私もチケット戦争を終えたばかり。無事、夜の部のチケットを手に入れました!今年は13代目市川團十郎(だんじゅうろう)白猿の襲名披露とあって、とっても華やか。なんと、南座で「助六」が観れるんです!!今年の顔見世をもっと楽しむために、市川團十郎やその展覧会についてご紹介します。

顔見世とは

歌舞伎は京都で始まり、江戸・大阪・京都を中心に栄えました。京都の四条大橋にある「南座」は日本最古の歴史をもつ劇場で、歌舞伎公演や松竹新喜劇、レビュー、現代劇などさまざまな演劇が行われています。毎年12月には「吉例顔見世興行」(顔見世)が行われ、風物詩となっています。人気の俳優さんがたくさん登場する顔見世は、1年の締めくくりのお楽しみなんです。

市川團十郎とは

江戸時代の歌舞伎は、江戸と上方(大阪・京都)で異なる発展を遂げました。上方歌舞伎といえば和事の坂田藤十郎ですが、江戸歌舞伎といえば荒事の市川團十郎です。江戸時代は團十郎は単なる歌舞伎役者ではなく、「江戸の守護神」として神聖視されていました。

「助六」はお家芸である「歌舞伎十八番」のひとつで、大人気の華々しい演目です。成田屋(市川團十郎)の助六は「助六由縁江戸桜」といいますが、助六を演じる役者によって「外題」が変わります。たとえば松島屋(片岡仁左衛門)なら「助六曲輪初花桜」などです。

「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展を観て歌舞伎を楽しもう

2023年12月3日(日)~12月25日(月)まで、四条烏丸にある大垣書店京都本店イベントスペースにて、浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展が行われます。
江戸歌舞伎の浮世絵の複製画30数点と原画1点が展示されます。複製画なので作品に触れることもでき、触覚でも楽しむことができます。

南座から徒歩20分ほどの距離なので、襲名披露の前後に鑑賞してみたいですね。素敵な作品を数点ご紹介します。

「四条河原夕涼之図」です。夕暮れの鴨川に美男たちが夕涼みにやってきています。

「京鹿子娘道成寺」です。道成寺伝説を元にした歌舞伎で、美しい娘が華やかに踊りますが、最後に本性をあらわし蛇の姿になってしまいます。

そして「助六」です。これは今年の顔見世で観ることができます。侠客である花川戸の助六と江戸吉原トップの花魁である三浦屋揚巻(あげまき)の粋な掛け合いや助六の喧嘩シーンやコミカルな「股くぐり」など見どころしかない名作です。顔見世では十三代目市川團十郎が助六を演じます!たまりません!!

相手役の揚巻は女形の大役ですが、若手女形である中村壱太郎(かずたろう)と中村児太朗(こたろう)がダブルキャストで演じます。大抜擢ですね!
そして、中村壱太郎の祖父は坂田藤十郎です。江戸歌舞伎と上方歌舞伎が融合した素晴らしい舞台になりそうでとてもワクワクしています。

おわりに

2023年の顔見世は江戸歌舞伎を感じられる特別な機会です。展覧会で複製版画に触れて、より素晴らしい顔見世を体験しましょう!歌舞伎に興味はあるけどまだ見に行ったことがないなという方も、版画から歌舞伎に出会ってみてくださいね。


浮世絵複製画展「市川團十郎と歌川派の絵師たち」展
2023年12月3日(日)~12月25日(月)10時~22時(最終日のみ17時まで)
大垣書店京都本店イベントスペースにて開催

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