
観光地で有名な京都ですが、京都人は大勢の人が集まる名所は敬遠しがち。その代わり、観光客にはできない、自分たちならではの楽しみ方を持っています。Kyoto Love. Kyotoの編集者であり、京都育ちのスタッフが自分なりの秋・冬の過ごし方をこっそりお教えします。
秋のはじめは夜あそび
京都の9月は、まだまだ暑い!夏の延長です。
9月半ばから10月のはじめ頃には「観月」イベントがいくつか開催されるので、浴衣で行ってみるといいかも。私は昔、まいまい京都さんの案内で泉涌寺のお月見を楽しんだのですが、それはもう~特別感があって楽しかったですよ。宇治川の鵜飼は9月まであるので、川涼みクルーズもオススメです。9月は夜あそびを楽しみましょう。

めっちゃ涼しい!夏の夜のエンターテイメント、京都・宇治川の鵜飼体験レポ – Kyoto Love. Kyoto 伝えたい京都
甘栗割りつつ食欲の秋

10月は様々な社寺で秋季特別公開がはじまる頃です。秋のお祭りも多いですね。「京都非公開特別文化財公開」は通常見られない場所を拝観できるので狙い目です。2025年はあの、冷泉家も見られますね!
令和7年度「第61回 京都非公開文化財特別公開」開催のお知らせ | 公益財団法人 京都古文化保存協会
大徳寺 黄梅院(おうばいいん) の秋季特別公開、オススメです。写真NGなのですが、そのぶん鮮烈に「美しい!」と感じた記憶が残っています。それ以外の季節でも大徳寺の塔頭は素晴らしいです。個人的に好きなのは大徳寺 龍源院(りょうげんいん)の4坪しかない庭「東滴壺(とうてきこ)」です。こちらは通年で鑑賞OK。雨の龍源院は、えも言われぬ風情でうっとりします。
三大祭りのひとつ、時代祭を見るなら、有料観覧席を取りましょう。ゆっくり座って見れて、行列を詳しく説明したパンフレットをいただけるのが嬉しいです。

そして、やってきました。芋栗南京(いもくりなんきん)の季節。
京都の美味しい芋栗スイーツを過去に食べ比べしましたので、ぜひ参考にしてください。林万昌堂さんの甘栗に、松屋さんの芋ようかん(ほぼ、スイートポテト)は一度食べてみていただきたいです。レトロな包みの甘栗をお土産に、栗を割りつつ人とおしゃべりする時間は、ほっこりしますよ~

おめかしして叡電に乗ろう
11月はさすがに涼しくなって、やっとおしゃれできる季節です。
数年前にミミズク屋さんの洋服地の着物にハマっていました。家で洗濯もしやすいし、あまり難しいマナーとかも関係ない!というので気楽に着られます。お値段もお手頃。遊び心があって可愛いデザインがたくさんありますよ。シャツやタートルネックの上に着物を着るなんて組み合わせも自由です。膏薬辻子(こうやくのずし)という場所も雰囲気にぴったり。
おしゃれしたらお出かけしてみたくなりませんか??混みたくはないけど、ちょっとは紅葉も味わいたいですよね。昨年行ってよかったのは叡電の紅葉ライトアップです。紅葉のトンネルが照らされて、金色のタイムマシンに乗っているような爽快な気持ちになれます。
このような、予約制のイベントは混みあわないのでぜひ活用していきましょう。
たくさんの紅葉が見れるのに混まない鉄板の場所としては北野天満宮の「史跡御土居のもみじ苑」でしょうか。広大な敷地なのでシーズンでもゆったり過ごせて安心です。
顔見世では何を食べよう

12月は顔見世!今こそ南座に行ってみましょう。わたしは12月生まれなので、顔見世を毎年の誕生日プレゼントにしています。土日の席はすぐ売り切れるので、チケットは必ず販売初日に取るのがオススメ。ちなみに「顔見世」を簡単に説明すると、1年で1番スペシャルなオールスター歌舞伎です。
観劇で大事なのがお弁当。せっかくなので。良い料亭やお寿司屋さんの折詰を買って、劇場で食べると楽しさ倍増ですよ。南座の椅子まわりはかなり狭いのでお荷物は最小限で行きましょう・・・
顔見世はトータルで4~5時間かかるので、観劇中にお尻が痛くなることも。休憩時間は南座内を探検して体をほぐしておきましょう。
おととし食べた四条河原町のひさご寿司さんのお寿司、美味しかったなあ・・・
クリスマスといえば、昔はロームのクリスマスイルミネーションを見るのが楽しみでしたので、無くなってしまって寂しいです。四条の商店街のアーケードが、クリスマス飾りになるとわくわくしますよね。
御所西にある平安女学院の生徒さんが作ったアグネス・イルミネーションを見に行くのは、かなり通なクリスマスかも。ちなみに伏見大手筋商店街ではサンタが大発生しますので一度現物を見てみていただきたいです。

京都らしいクリスマス! ~平安女学院大学のアグネス・イルミネーション – Kyoto Love. Kyoto 伝えたい京都

京都でサンタが異常発生!?~伏見大手筋商店街のクリスマス – Kyoto Love. Kyoto 伝えたい京都
新春は厚い靴下をはいて
冬は京都に人が少なくなる季節。「京の冬の旅」を活かして普段拝観できないところに行くのがオススメですよ。冬のお寺はキーンと冷えるので、分厚い靴下を履いていきましょう。
西賀茂の正伝寺(しょうでんじ)はデビット・ボウイが愛したといわれるお寺で、静かな冬が似合います。
初詣では、干支をきっかけに、行ったことがない社寺を開拓すると達成感があります。めちゃくちゃパワーがもらえる八瀬の九頭竜大社、うさぎで有名な宇治の宇治神社・宇治上神社はとても良かったです。

2024年は辰年!京都のパワースポット「九頭竜大社」に初詣しよう

2023年の干支は卯年!京都・宇治のうさぎ社寺に初詣しよう。 – Kyoto Love. Kyoto 伝えたい京都
社寺詣には甘味が大切。清水寺はいつも混んでいるのであまり足が向かないのですが、たまに行くと老舗の甘味処「かさぎ屋」さんの亀山を必ずいただいてしまいます。
鍋焼きうどんで温まろう
もっとも寒い2月ですが、節分が来るとうきうきします。どの社寺も特色がありますが、須賀神社さんが一番オススメ!だってラブレターがいただけるんですよ♪ 懸想文(けそうぶみ)売りさんのビジュアルも怪しくて素敵です。
寒くて人が少ない季節を狙って、なかなか予約が取れないところに行くのがスムーズに観光を楽しむポイントです。
桂離宮!
仙洞御所!
修学院離宮!
これらはなかなか予約が取りにくい施設なのですが、桁違いに素敵なので・・・
ぜひ、冬のきりっとした空気の中でご観覧ください。
寒い時は温かいものが美味しいもの。龍安寺の中で食べた湯豆腐、人生における湯豆腐で一番おいしかったです。1人でもOKなので、ぜひぜひ。
ちなみに京都のスーパーは美味しい食材の宝庫です。とようけ屋山本さんのお揚げを見つけたら即購入。トースターかフライパンで焼いて、大根おろしをのせて食べたら、じゅわっと幸せの味がします。


凍えて遠出したくないときは、スーパーで京都の食材を探して挑戦してみるのも良いですね。風邪ひきそうなくらい冷えているときは、冨美屋の「冨美屋鍋」がぴったり。海老天・お餅・卵など具だくさんの鍋焼きうどんです。パックに入って手軽に買えるこれこそ、京都市民のソウルフードなのではないでしょうか?これが近所のスーパーで買える生活、なんと贅沢なことでしょう。
これがわたしの秋冬の過ごし方です。大人になっていくにつれ、自分なりの京都の楽しみ方が見つけられるようになってきた気がします。これから京都で年を重ねるのが楽しみです。是非皆さまも、自分だけの京都の過ごし方を、見つけてくださいね。そして、こっそり教えてください。