堀川団地にまつわる物語「戦後最初期の下駄履き住宅団地の誕生」
6.まとめ
堀川団地は、堀川京極の復興という地域住民の願いの象徴として誕生したものであり、地域住民にとっての誇れる団地と言える。建設当時のことを知る団地入居者や地域住民に話を伺うと、建設当初の賑わい、入居時の審査の厳しさ、倍率の高さ、団地での暮らしの工夫など、皆さんが嬉々として堀川団地や商店街のことをお話してくださることが印象的であった。
現在までに建物の再生事業は少しずつ進んできたが、地域住民の誇りや記憶も次世代に継承していく必要がある。そのためには、建物だけではなく、団地住民や商店主の暮らしを含めて再生していくという視点が不可欠であり、建物の再生事業が終了した後も団地再生は続いていかなければならない。筆者も微力ながら堀川団地を応援し続けていきたいと考えている。
参考文献
京都商工会議所:京都市に於ける商店街に関する調査,京都商工会議所,1936
垣田悠三子:個人時から見た堀川商店街の変遷,京都大学修士論文,2011.3
高田光雄,大島祥子,土井脩史,生川慶一郎:堀川団地の記憶と未来,2012.4
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土井 脩史
住宅計画研究者。博士(工学・京都大学)、一級建築士。
京都橘大学現代ビジネス学部都市環境デザイン学科・専任講師。
京都・大阪を主な研究対象として、これからのストック活用時代における住宅計画のあり方について研究している。
|住宅計画研究|堀川団地/戦後/住宅/商店街
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