頭芋は1個ずつ売られています。ちょっと高いめのを買いますよ。
前の日に下茹でしておきますが、頭芋でもいろいろあって、安いのはいくら茹でても下の方が柔らかくならへん。ガリガリ言わせながら苦労して食べんとあかんので、ちょっとはりこんでええの買うんですよ。これも主人のため♪

京都人度チェック④ おせちの三種

さて、チェック①のところで触れたおせちの「三種」が、次のチェックとなります。
この「三種」って何?と思う方がやはると思うので、先にご説明しますと、
「三種」とは、おせちの中でもこれだけは揃えておかんとあかん「祝い肴」のことを言います。ではチェック。

④京都のおせちの中で「三種」と呼ばれているものは何でしょう?

答えは、「数の子・たたきごぼう・ごまめ」。

関東の方は「あれ?違う!」と思った方がおられるでしょうね。関東では「数の子・黒豆・田作り」となりますね。

このように関東と関西は1つ違うものが入り、京都も関西なので関西風の「三種」となりますが、最近は関東風に押されて、大阪などでも東京と同じものを揃えているご家庭も増えてきてると聞いています。京都では京料理屋さんが守ってくれたはるので、これが間違いない、という確信を持って言えますが、この潮流に逆らうのがだんだん難しくなってきているようです。

そこで私とこでは、母に教えてもろた覚え方で忘れんようにしています。

「かずかずごんぼにごまめ」

「かずかず」は御所言葉で数の子のこと、「ごんぼ」はごぼうの京ことば、「ごまめ」は田作りのことですね。

ところで、そしたら関東には入っていてこちらでは外れてしまった「黒豆」はどうするか、っていう問題が出てきます。黒豆は京都でも縁起の良い食べ物とみなしています。三種は「3」という縁起が良い奇数になっていますが、黒豆を足してしまうと「4」になってしまう。これは大きな問題です。

で、どうするかというと

4つともそのまま乗せます!

な~んや、って思う方、ものは考えようですよ。うちでは「4種」ではなく「3種+黒豆」と思って乗せているのです。そやし「4種類や」って思ったことないんですよ。
ええ加減と言われたらそうなんですが、まぁ、よろしやん!(ニッコリ)


京都人度チェック⑤ 京都のおせちに入っているお魚?

最初に、京都は海から遠いので、山のものが入っていると言いましたが、お魚も無くはないです。もちろん三種のごまめもお魚やと言われたらそうなんですけど、もっと特徴的なものがあります。これが入ってたら京都のおせちや!っていうものですね。ということでチェックにいきます。

⑤京都らしいおせちの魚の具材は何ですか?

これはご存じの方も多いかもしれません。答えは

「棒鱈(ぼうだら)」。

色濃いでしょ~!
あの白いタラとは似ても似つかん黒っぽい色!

でも「いもぼう」て言うたらわかっていただける方もあるかと思います。「いもぼう」は海老芋と棒鱈を長い時間炊き合わせた京都のおかずです。今はわざわざ普通のおかずとして炊く方はほぼ無いですが、有名なお料理屋さんの名物となってますね。口に入れたらほろっと崩れるほど柔らかく炊けると、とっても美味しく食べることができます。

家ではこれがなかなか難しい。棒鱈の名前の由来は、タラをカチカチになるまで棒状に乾燥させたところから来てますが、作るにはまたこれを水で戻さんとあきません。私は戻すとこからやったことないんですが、2週間くらい水に浸けて、しかも毎日毎日水を替えんとあかんのです。戻して柔らかくなったタラを、今度は灰汁取りと色付けのため番茶で茹でます。その後出汁とお醤油・みりん・お砂糖でコトコトコトコト炊いていかんとあかんので、本当に時間のかかるお料理なんです。

こんなに灰汁が出ますよ!

こんなに灰汁が出ますよ!

で、私はというと、そんなことやってられへんので、圧力鍋でシューっと一日で作ってしまいます!棒鱈もカチカチのを買わず、今は戻したものが売ってあるのでそれを使えば簡単!手間をかけたほうがきっと美味しいのやろなと思いながらも、そのせいで作らんようになったら元も子もありません。骨まで柔らかくなるし、そこそこ美味しいし、これでよろしやん!(また出た)棒鱈が入ってたら間違いなく京都のおせち!


京都人度チェック⑥ 祝い箸

そして最後のチェックです。

⑥京都の祝い箸は、上下どちら向きにお箸が出ていますか?

これは意外と京都の人も気が付いてない。
ずっと使っている人も、指摘して初めて気が付いた、という返事が返ってきましたよ。

答えは「下向き」。

普通のお箸は上にお箸が出てますよね。

ところが、京都のお箸は

ほれっ、下向き!
このお箸ももう荒物屋さんにしかありません。
前使った写真ですが、ここにありますよ。

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この記事を書いたKLKライター

鳴橋庵 店主・京都上京KOTO-継の会 会長
鳴橋 明美

 
上京の、形になりにくい文化(お祭・京都のおかず・伝統工芸・京ことば)の継承のお手伝いをする「京都上京KOTO-継の会」会長。
「鳴橋庵」店主。
「能舞台フェスタ in 今宮御旅所」実行委員会会長。

組紐とお抹茶体験を鳴橋庵店舗にて行っております。
合間合間に京都のお話を挟みつつ、楽しく体験していただけます。
お申込みは「鳴橋庵」HPまで。

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|鳴橋庵 店主・京都上京KOTO-継の会 会長|お盆/織田稲荷/京都人度チェック/パン/氏子/十三参り

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