京都の紅葉は数々あれど! 【タクシードライバーと行くひみつの京都案内】 VOL.2
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
▶︎京都の紅葉 激推し穴場スポット!黄金色に輝く1,000mを散策▶︎『竹の紅葉~次代への執念~』僕は京都の銘竹問屋 Episode-10
▶︎白龍園の秋
▶︎スタバがゼロ!上京区民はカフェ難民?
ご乗車ありがとうございます!タクシードライバーの井上です。
こちらの「タクシードライバーと行くひみつの京都案内」では、私井上が知っているようで意外と知られていない京都をご案内する企画です。皆様をディープな京都へとご案内致します。
第二回目は「京都の紅葉」です。
もうこのテーマは、広すぎて、深すぎて、いろんな視座がありますので、本日も私の好みでご案内させていただきますね。
それでは、さっそくひみつの京都観光に出かけましょう!
錚々たる神々が集う、超穴場パワースポットの紅葉
まず最初に訪れたいのは「日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)」です。
もちろん紅葉も美しく、また「京のお伊勢さん」として、そこそこ知られていますが、紅葉シーズンのピークでも、比較的ゆっくりと静かにご参拝できます。
昔は、三重県の「伊勢神宮」に行きたくても、いろいろな事情から行かれない人達が、お金を出し合い、くじ引きで選ばれた人に代わりに参拝に行ってもらう、いわゆる「代参」という仕組みがあり「伊勢講」とも呼ばれていました。
さらに「京都でもお伊勢参りがしたい」という思いが、古くから芽生えたのは当然のことでしょう。そんな思いから5世紀末、日向(ひゅうが)国の高千穂に神様が祀られていた場所から移したのが起こりとされています。
ちゃんと伊勢神宮と同じく外宮と内宮があり、千木(ちぎ)や鰹木(かつおぎ)が屋根にある神明造(しんめいづくり)という京都では珍しい様式の社殿です。外宮を横から見られるのも嬉しいですね。また、伊勢神宮を遥拝できる所まであります。
また、千木(屋根の両サイドにクロスする木)の先端が尖っていて、鰹木(屋根に垂直に並ぶ木)が奇数(陽)なのが外宮の男神様(天之御中主神)、千木の先端が平で、鰹木が偶数(陰)なのが内宮の女神様(天照大御神)なので、その両方が確認できます。よく見てくださいね!
さらに内宮を左上に折り返し登ると「天の岩戸」の洞窟があり、奥の「戸隠(トガクシ)神社」に天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)」がお祀りされ、お詣りして通り抜けると開運厄除のご利益が得られます。他にも、錚々たる神様が御鎮座されていて、市内を代表するパワースポットなんで、訪れる価値は大いにありますよ!
参道と花札の粋の美学
次に訪れるのは、鷹峯の「光悦寺(こうえつじ)」です。
紅葉のスポットとしてはあまりにも有名ですが、ここの低めの紅葉が両脇に立ち並ぶ参道は
私が勝手に選ぶ「京都の参道ベスト3」の一つなんで、是非ご案内させてください。
江戸時代の芸術家で琳派の創始者・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が元和元年(1615年)徳川家康から与えられ草庵を結んだのが始まりです。当時は治安が悪い場所だったようですが、光悦の一族がこの地に移って芸術家村となりました。
竹を斜めに組んだ垣根は光悦垣と呼ばれています。
また、この一番奥から見渡せるのが「鷹峯三山(鷹ヶ峰・鷲ヶ峰・天ヶ峰)」なんですが、実はあの花札の「芒に月」の景色のモデルになったといわれています。
よ〜く見たら、そんな感じに見えてきませんか?
トップシーズンでも静かに楽しめる紅葉
さらに京都の北に向かいましょう。顕本法華宗の総本山「妙満寺」です。
康応元年(1389)日什(にちじゅう)上人によって、現在の、烏丸五条あたりに創建されました。応仁の乱などの兵火に度々市内各地を移転して、昭和43年に現在の岩倉の地に再度移転されました。本坊の「雪の庭」は、清水寺の塔頭、成就院の「月の庭」と共に、松永貞徳が造園した雪月花三名園の一つです。(これも京都検定によく登場しますね!)
また展示室には、道成寺で有名な安珍・清姫ゆかりの鐘が安置されています。
門前に3000株のツツジが植えられて、花の寺としても有名です。
とにかく、いつ行っても紅葉はもちろん、オールシーズン静かにお詣りできる隠れスポットですよ!
人気スポットの紅葉なのに穴場でハズレなし!
さて、それでは名勝嵐山へと向かいましょう!
とはいっても、今までは通り過ぎてしまっていた場所かもしれません。近年少しずつ訪れる方も増えつつある様にも思えますが、まだ穴場だと思います。
そうここは「宝筐院(ほうきょういん)」です。
清涼寺(嵯峨釈迦堂)のすぐ西にあり、なんと言っても嵯峨野で一番綺麗な紅葉として知られている、素晴らしい処です。
南北朝時代、室町幕府の二代将軍足利義詮(あしかが よしあきら/北朝)が、南朝の楠木正行(くすのき まさつら/楠木正成の長男)が四条畷の合戦で北朝の高師直の率いる大軍と戦って見事に討ち死した(享年23歳)のを讃え、自身の墓も隣に建てさせたという伝説(諸説あり)があります。また、明治二十四年(1891)、第3代京都府知事北垣国道が楠木正行の遺跡が人知れず埋もれているのを惜しんで、首塚の由来を記した石碑『欽忠碑』を建てました。
特別拝観のライトアップも大変見応えがありますよ!
(「宝筐院」は義詮の院号。10月〜12月の特別拝観確認要)
ライトアップ一押し紅葉(花札つながり)
ライトアップの紅葉で、私が一番お勧めするのはメジャーですが「東寺」ですね!
五重塔と紅葉が手前の池にも逆さに映り、本当に息をのむほど美しいので是非一度ご覧ください。
東寺の詳しい説明は、また次の機会にいたしますが、先程の花札つながりで宝蔵(重要文化財)の近くにある柳は「小野道風ゆかりの柳」と伝えられています。何度も柳の枝に飛びつこうとしている蛙が、ある瞬間に吹いた風に靡いた枝に、とうとう掴まることが出来たのを見て、自身の不甲斐なさを悟ったとされています。
いかがでしたか!?
本日のご案内は、ここまでとなります。
またのご乗車を、心からお待ちしております。
ありがとうございます。
ちょこっと寄り道
*J R嵯峨嵐山駅近く、御菓子司「鶴屋壽」さんへ
嵐山の老舗高級料亭でのお茶菓子と手土産として「嵐山 さ久ら餅」を作ってこられたのが始まり。オオシマザクラの二枚の葉で挟まれた白い桜餅、香り高くしっとりとした食感は別腹間違いなしです。
是非お立ち寄りください。
「鶴屋壽(つるやことぶき)」
℡075-862-0860
京都市右京区嵯峨天龍寺車道町30
19:00~17:00 無休
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
▶︎鷹峯へ、ようこそ。▶︎京都の桜について 写真家的まとめ
▶︎絶景の詩仙堂 ある武士の第二の人生
▶︎お火焚きってどんな行事?~火を操る神事の謎を深堀りする~
関連する記事
昭和37年 京都市生れ
タクシードライバー
京都検定2級
京都市より「京都観光おもてなしコンシェルジュ」を認定。
京都センチュリーホテルで18年勤務。
居酒屋・ラーメン店経営などを約20年。
酒米から育ててお酒を楽しむ会に参加し、唎酒師の資格も持っている。
近年では、自身が大病を患った経験から「食と健康」を一人でも多くの方々に広めようと様々な活動を行っている。
|タクシードライバー|京都観光/B級グルメ
アクセスランキング
人気のある記事ランキング
写真HPより