秋を感じるうつわとは

さて、京都のやきもの、陶器と磁器の違いがわかったところで、我が家の食器棚の奥から衣がえをした、秋のうつわってどんなものでしょう。

そろそろ収穫時期の、お芋さんやかぼちゃ、きのこ、新米などの食材が楽しめます。日夜涼しくなってくると、あたたかいお料理が恋しくなってきますね。そんな秋の恵みを盛るのは素朴でかつ保温性のある〈ぽってり〉としたフォルムの陶器がオススメ。

秋らしいうつわ

秋らしいうつわ

ほんの一例ですが、写真のような刷毛でさっとうつわに模様が描かれた「刷毛目」、カラメルのような色の「飴釉(あめゆう)」、淡いグレーベージュに白い斑点が特徴の「御本手」など、暖色系の色の“土もの”のうつわが合います。
もちろんこれ以外に磁器でも秋のお花が描かれたお皿や、白っぽい厚手の生地のうつわや、寒色の青でも色調を下げたものでしたら秋らしい印象を与えてくれます。

お箸置きも季節を感じさせる重要なアイテム。紅葉や菊の花、柿など季節のモチーフがあるだけでぐっと季節感が引き立ちます。

秋のお箸置きのコレクション

秋のお箸置きのコレクション

こんなにも豊富な技法、デザインのうつわがある京都。食空間コーディネーターの私としてもカジュアルなシーンから、格式高い場面、スタイリッシュな空間、はたまたナチュラルな表現など多岐にわたるご提案が可能で、こんなに面白い環境はないと思っています。
皆さまも、食器棚を見渡してみると、そういやこんなうつわもあったな…なんてこともあるかも。ぜひうつわで季節感を感じてみてください。

「おきにのうつわ」は祖父の代から京焼・清水焼の卸売をしている夫と、食空間コーディネーターの私との夫婦ユニット。当初は2人が深く関わる京焼・清水焼にまつわることをSNSに発信したり、イベントやセミナーなどにお招きいただき、お話させてもらってきました。近年は、やきもの以外の工芸品のPRや展示会プロデュースなどを手がけることも増え、〈作り手〉と〈買い手〉をつなぐ〈つなぎ手〉として活動しています。

今回は京都のやきものの紹介になりましたが、食卓にはやきもの以外にも漆器や木製品、金属製のアイテムもあります。また、床の間や棚にしつらえる飾り、身につけるものなども伝統的な技術を使って、今の時代に合うように作られたおしゃれで素敵な工芸品がたくさんあります。

我が家でスタートさせた、京都の伝統的なものを愛でたり使ったりして日々を楽しむ活動、略して「伝活」を今後も文章にしたためて紹介していきたいと思います。

秋をたのしむ食卓のコーディネート

秋をたのしむ食卓のコーディネート

Twitter Facebook

この記事を書いたKLKライター

おきにのうつわ
食空間コーディネーター 工芸品ディレクター
三谷 靖代

京都生まれ。祖父の代まで染屋を営み、親戚一同“糸へん”の仕事にたずさわる環境で育ち、学生時代はファッションを学び、ウェディング業界へ就職。そこで出会ったテーブルコーディネートに感銘を受け、後に食空間コーディネーターとして起業。京都の伝統産業の産地支援や、五節句や年中行事など生活文化を次世代に伝える活動を行っています。京焼・清水焼の卸売をする夫と夫婦ユニット「おきにのうつわ」を結成して、京焼・清水焼の魅力の発信や講演、展示会プロデュース、また陶磁器以外の伝統産業品のPRや観光業とのコラボなども手がけています。近年スタートさせた「伝活」では実際に京都の伝統産業品を愛でたり、使っている様子をSNSで紹介。
特非)五節句文化アカデミア 理事

記事一覧
  

関連するキーワード

三谷 靖代

京都生まれ。祖父の代まで染屋を営み、親戚一同“糸へん”の仕事にたずさわる環境で育ち、学生時代はファッションを学び、ウェディング業界へ就職。そこで出会ったテーブルコーディネートに感銘を受け、後に食空間コーディネーターとして起業。京都の伝統産業の産地支援や、五節句や年中行事など生活文化を次世代に伝える活動を行っています。京焼・清水焼の卸売をする夫と夫婦ユニット「おきにのうつわ」を結成して、京焼・清水焼の魅力の発信や講演、展示会プロデュース、また陶磁器以外の伝統産業品のPRや観光業とのコラボなども手がけています。近年スタートさせた「伝活」では実際に京都の伝統産業品を愛でたり、使っている様子をSNSで紹介。
特非)五節句文化アカデミア 理事

|おきにのうつわ
食空間コーディネーター 工芸品ディレクター|うつわ/清水焼/伝統産業

アクセスランキング

人気のある記事ランキング