おだやかな上皇、土御門院(つちみかどいん)[下] 『隠岐から見た京都』
後鳥羽上皇さまは、隠岐・海士の地で20年近い歳月を「都へ戻りたい」と思いながら過ごされ、崩御されたあとは、お墓である『後鳥羽天皇御火葬塚』にお休みになっておられます。島で崩御されたあと、京都から付き従っていた従者・藤原能茂(よしもち)によって荼毘にふされた上皇様の御遺骨の一部を、能茂(よしもち)は首から下げた袋に入れ大切に京都までお運びしました。現在、京都の大原三千院の奥にある大原御陵には、この時能茂がお運びした御遺骨が埋葬されています。
今、海士町には毎年全国から移住者が訪れており、約2400人の島民のうち、2割は移住した「Iターン者」の方々です。およそ800年前の後鳥羽上皇さまの時代には、予想もできなかった光景です。あるUターンの地元住民の方がこう言いました。
「わしらは『じげのもん(地元民)』ではあるけれども、実際のところ先祖は何代前からここに暮らしているのかわからない。でも『ごとばんさん(後鳥羽上皇さま)』は、800年前からここにいる。ひょっとしたら、ごとばんさんのほうが、わしらち(おれたち)より長く住んでるIターンかもしれん」
後鳥羽上皇さまは私たちの大先輩なのですね。
これからも、後鳥羽上皇さまが島に残した和歌を通じていろいろな方々とつながり、町を元気にしていけたらと思います。
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島根県歌人連盟 会員
短歌結社『湖笛』所属。
島根県在住のエッジの効いた歌人の参加するネットプリント『うたしまね』に参加させていただいています。
島根県の離島・隠岐島在住の歌人です。
和歌も俳句も詠みますが、どれも中途半端です。
和歌・俳句・短歌大会の事務局に関わらせていただいています。
ご興味のある方はぜひご覧ください。
twitter:隠岐後鳥羽院大賞@welcomegotoba
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|歌人ライター|隠岐/後鳥羽院/和歌
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