冬を感じる!うつわの衣がえ【京都で伝活!~私たち伝統産業を愛する活動はじめました~】
このように問屋さんというのは作り手と使い手を「つなぐ」という立場で、常に双方を意識して調整するといったところが、私のようなテーブルコーディネーターのポジションと、とても似ていると常々感じています。
冬・お正月を迎えるうつわとは
冬のうつわをイメージしたときに思うのが土鍋(うつわと言って良いのかな?)。寒くなるとお鍋料理が恋しくなりますね。土鍋は保温力もあるので、この時期頻繁に登場するご家庭も多いのでは。
お正月には、煌びやかなハレのうつわが登場。
おめでたい絵が描かれたり象ったうつわ、赤(紅)や金色が入ったうつわなどが新春のお祝いらしくなるでしょう。
(写真左)古来より〔鶴亀〕は長寿を象徴する吉祥の生き物として崇められてきました。
(写真右)松竹梅の〔松〕は年中緑を保ち生命力あふれることから〈不老・長寿〉、〔竹〕は地下から竹の子が出てすくすくとまっすぐ上に伸びることから〈成長・子孫繁栄〉、〔梅〕は寒い冬を越し、春を知らせるのに一番に花を付けることから〈高潔・繁栄〉をあらわすと言われています。
縁起の良い吉祥文様は他にもあります。
(写真上左)福袋、宝珠、小槌など富や知恵を象徴する文様がちりばめられた〔宝づくし〕、(写真右上)六つの瓢箪が描かれ〔六瓢(むびょう)〕は無病息災を意味し、(写真手前)〔七宝〕は円が重なっていることから、円=縁がつながり繁栄する願いを込められています。(この辺は結構ダジャレですね)
〔龍〕や〔鳳凰〕も幸運をもたらすと考えられていましたので、絵柄によく使われます。
そして、あらゆる吉祥文様が描かれた〔祥瑞(しょんずい)〕はスーパーラッキーなうつわなのかも知れません。
しかし、豪華なお正月用のうつわだからと、食器棚にしまったままにするのはもったいないと思うのです。日常に使うのはちょっと・・・と思われるのなら、ぜひ、ご家族の誕生日やお祭り、お節句などの節目でも使っていただけたらうつわも喜ぶと思います。
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京都生まれ。祖父の代まで染屋を営み、親戚一同“糸へん”の仕事にたずさわる環境で育ち、学生時代はファッションを学び、ウェディング業界へ就職。そこで出会ったテーブルコーディネートに感銘を受け、後に食空間コーディネーターとして起業。京都の伝統産業の産地支援や、五節句や年中行事など生活文化を次世代に伝える活動を行っています。京焼・清水焼の卸売をする夫と夫婦ユニット「おきにのうつわ」を結成して、京焼・清水焼の魅力の発信や講演、展示会プロデュース、また陶磁器以外の伝統産業品のPRや観光業とのコラボなども手がけています。近年スタートさせた「伝活」では実際に京都の伝統産業品を愛でたり、使っている様子をSNSで紹介。
特非)五節句文化アカデミア 理事
|おきにのうつわ
食空間コーディネーター 工芸品ディレクター|うつわ/清水焼/伝統産業
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