実際に水を止めるとどうなるか~与える影響について~

実際に水を止めたときの影響について、想定できることをいくつか紹介したい。

日本という国はかなり水に恵まれているからこうやって「水を止めるぞ」とネタにできるが、世界ではそうできないも地域も多い。

例えばテキサス州とニューメキシコ州にまたがる国際河川、リオグランデ川の水資源問題は紛争にまで発展したこともある。
なんとこの河川の水の仕様配分がリオグランデ協定で定められるほどであり、水不足や一部地域の水の使いすぎは市民の生活、特に農業に大きな被害を及ぼしてしまうのだ。

農業関連でいえば、中央アジア西部にあるアラル海のことも紹介したい。琵琶湖よりも大きな湖で知られるアラル海は、近代農業のためにその水量が半世紀で1/10ほどまで減ってしまったことで知られる。

アラル海の縮小。半世紀もしないうちにこんなにも湖の水が減った。

アラル海に流れ込む大河の水を綿の栽培や灌漑農業などのために使ってしまったために起こった被害であるが、この事件はただの水不足だけでは済まなかった。
塩湖であるアラル海は水分が少なくなったことに加え、塩分濃度が上がり塩害が発生。アラル海に住む生物に大きな影響を与えてしまった結果、漁業は壊滅状態にまで陥った。

琵琶湖・淀川水系の生態系について特筆しておきたい。というのも琵琶湖は日本最大の湖として有名だがそれだけではないのだ。400万年以上もの歴史を持つ日本最古の湖であり、世界でも20ほどしかない古代湖の一つなのだ。古代湖とは、固有種の住む貴重な自然環境を有し、10万年以上もの歴史をもつ湖を指す。琵琶湖の水を止めることは、琵琶湖に住む約60種の固有種をはじめ、近江盆地に住む動植物やその他淀川水系に住む生き物に大きな被害を与えてしまう。固有種のビワコオオナマズ、絶滅が危惧されるビワタナゴ、回遊魚である鮎など、数え始めるときりがない。

そのような貴重な生物のなかで個人的に取り上げて話したいのはイチモンジタナゴという日本固有種だ。

イチモンジタナゴ(イラスト)

イチモンジタナゴ(イラスト)

その名の通り、体に一文字(イチモンジ)の模様がある。

元々近畿では琵琶湖・淀川水系に幅広く分布していた淡水魚だが、外来種の影響で琵琶湖からは姿を消してしまった。

ただ平安神宮神苑の池では琵琶湖疎水に浄水装置が設置されていたおかげで外来魚が侵入されていなかった。そのおかげでイチモンジタナゴが平安神宮神苑の池で生き残っていおり、これを繁殖させて琵琶湖に復活させようという取り組みがされている。
この記事ではさんざん京都と滋賀がいがみ合っているかのような話ばかり書かれているが実際はそうではない。実はかなり協力していたりもするのだと他府県民に向けてアピールしておきたい。
少し話がそれたが、このようなイチモンジタナゴ繁殖の活動をはじめ、琵琶湖・淀川水系では外来種から在来種を守る活動が多くされているのだ。

このような活動に敬意を示す意味も込め、急な手のひら返しではあるが、琵琶湖の水は絶対にとめてはならないとここで断言させていただきたい。

まとめ

今回の空想科学を通じて、琵琶湖の偉大さや影響の大きさが感じられた。琵琶湖の大きさだけでなく、我々関西圏に住む人の生活への影響、生態系の豊かさなど素晴らしい点が多く、その自然の恵みを享受しながら生活している実感も得られた。

 もし滋賀県民の方で、京都人や大阪人を飲み会の席なんかで脅したくなった時は
「琵琶湖の水を止めるために瀬田川に発電所つくって水を全部電気分解するぞ」
といいながら、このHPを見せる方法が有効だという新説を立てさせていただいて終わりとさせていただく。

 なお京都大阪が壊滅した時に、国道1号線と名神高速の利用者数がどうなるかは疑問が残るので水素が売れるのかは怪しいし、そもそも京都、大阪、一部の兵庫壊滅なので近畿の経済、日本の経済も壊滅するので水素売ってる場合じゃねぇとなりそうだと、最後に補足だけしておきたい。

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京都が好き。美味しいものを食べるのも好き。
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