第3回「能楽師の修行」
それとは別に、舞台が続いた後などは稀に特別休暇がありました。私はこの休暇には決まって外出をして、色々なお料理屋さんを巡りました。次の休みには何を食べに出ようかとばかり考えていた頃もありましたが、今となっては良い思い出です。
終わりは始まりでもある
能楽における下積みの修行期間は、短くて五年、長ければ十年かかると言われています。周りの方々の話によると、修行の期間や独立に関しては決まりの無いことが多いようで、その時の流儀の状況や弟子の成長などを見て判断されると聞きます。私の場合は、運が良かったのか悪かったのか、五年間の住み込みで独立を許されました。
能楽師は修行を終えて独立を果たすと、楽屋では一人前の能楽師として扱われるようになります。しかし、独立は単なる節目に過ぎません。修行が終わるということは、これから長い長い「一生の修行」が始まるともいえるのです。
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山田 伊純
能の主役を演じるシテ方、五流派の一つ「金剛流」宗家直門。
6歳にて初めて舞台に立ち、京都での住込み修行を経て、宗家より独立を認められる。
主に京都・東京の舞台に出演。
また各地方でお稽古場の主宰、初心者向けの能楽講座やワークショップを催すなど、舞台の傍ら能楽普及にも勤めている。
他にもyoutube「いすみちゃんねる」で動画配信、LINE公式ブログを執筆する等インターネットを通じての普及にも取り組む。
公益社団法人能楽協会会員。
京都能楽会所属。
同志社大学文学部卒業。
|金剛流能楽師|能/能面/能楽師/金剛流/修行
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