【教えて!祇園祭のひみつ】200年の時を超えて甦る鷹山。 山田理事長が語るとっておきのウラ話。
山田さん:テレビでは四条通を山鉾がゆっくり移動していく様子がよく映されますが、新町通をすごいスピードで戻ってくる山鉾も見ごたえがありますよ。
立岡:新町通ですか?
山田さん:四条通と新町通では、山鉾の移動スピードや曲調が違うんですよ。新町では山鉾の動きや曲がグンと速くなりますね。
立岡:そうなのですね!なんで、曲調やスピードが違うんですか??
山田さん:山鉾は、八坂神社の近くまで行く「渡り」と、そこから戻ってくる「戻り」の2つの流れがあるんです。渡りでは「渡り囃子」というゆったりした曲を奏でます。そこから、山鉾町まで戻るときは「戻り囃子」となり、テンポの速い曲になるんです。曲に合わせて、曳き手もスピードアップしますし、「帰ってビールが飲めるぞ!」という気持ちも山鉾のスピードに変化を与えているんじゃないかなぁ(笑)
立岡:たしかに、それは大きなファクターですね(笑)
山田さん:道幅も四条通よりずっと狭くなるので、間近で迫力ある山鉾を鑑賞できるのも新町通の良い点ですね。
立岡:今年の後祭は、新町通に行こうかな♪
京都人が語る!祇園祭の楽しみ方(やんちゃ坊主ver.)
立岡:ここまでは、鷹山や祇園祭の知られざる一面についてお話を伺ってきましたが、山田さんは祇園祭をどのように楽しんでこられたのですか?
山田さん:子どもの頃は、よく「2B(ニービー)」を投げあって遊びましたね。
立岡:2B。鉛筆の濃さ…ではないですね。
山田さん:今は製造中止になってしまったのですが、僕らの年代には爆竹をパワーアップしたダイナマイトのようなものがあったんです。すごい爆発音がするんですよ!
立岡 : はあ…?
山田さん : 昔はお神輿が通る前は、近所の子たちで集まって、花火をしたり2Bを投げ合ったりしていたんですよ。火をつけてから爆発するまで、だいたい20秒くらいでしょうか?宵山のときなどは、近所の子たちと道を挟んで、2Bを投げ合い度胸比べをしたものです。
立岡:関東人の私がもつ祇園祭のイメージがどんどん崩れていきますが、面白いですね。
京都人が語る!祇園祭の楽しみ方(大人ver.)
立岡:子どもの頃、山田さんがやんちゃだったことがよくわかりました(笑)。大人になってからは、どんな風に祇園祭を楽しんでいたんですか?
山田さん:祇園祭はデートに誘う絶好のチャンスなんですよ。本命は宵山に誘うのが常識でしたね(笑)宵々山ではなく、宵山なのがポイントです!
立岡:そんな常識が…(笑)。あれですね!好きな子をクリスマスのイブイブに誘うか、イブに誘うか的なやつですね?
山田さん:いやいや、重要度では、圧倒的に宵山です。
立岡:「クリスマス<<<<<宵山」ということですね。
山田さん:もちろん!男性は本命の彼女を宵山に誘うし、逆に断られたら、お相手には別の本命がいることに…。あとは、本命といる時に別の友達とすれ違うなどのハプニングが起きることもよくあります。
立岡:さすが祇園祭!!様々なドラマがあるんですね(笑)
今年の鷹山の見どころは…三条新町での辻回し!
立岡:いろいろと、興味深いお話をありがとうございました。最後に、約200年ぶりに復活する鷹山の一番の見どころを教えてください!
山田さん:やはり三条新町での辻回しですね。山鉾は、曲がり角で辻回しと呼ばれる方向転換を行います。10トンを超える豪華な山が、グルリと回る様は圧巻です。なかでも三条新町の交差点は他の場所と比べてとても狭いんですよ。技術的にも大変高度なものになりますし、青竹を敷いて音頭取りの合図に合わせて一斉に山を回転させるダイナミックな様子を私も楽しみにしています。
立岡:今年は、ぜひ私も見に行きたいと思っています。本日はどうもありがとうございました!
出典:3人の夢がみんなのものに。ご縁と熱意で実現する、鷹山の山鉾巡行 - 京都観光Naviぷらす
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東京から京都に引っ越してきた、編集者。
普段は、『TRANSIT』や『FRaU』など雑誌やメディアづくりに関わったり、企業や個人のWEBサイトを制作していますが、それは表の顔。裏では人を軸に京都を深ぼるイベント「ひみつの京都案内」を運営しています。
東京の大学在学中も京都が好きで、同志社大学に国内留学していました(専攻は歴史学)。趣味は、合気道と食べ歩き。
|編集者|旅/歴史/グルメ/祇園祭
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