お茶と竹のスペシャルな空間 ~茶室の中の竹~(中編) 僕は京都の銘竹問屋 Episode-19
別の形式の【連子窓(れんじまど)】は、2㎝程の「白竹」を等間隔に打ち付けたもの。立ち並ぶ竹のシルエットが障子の外側に映ります。
下地窓の外側には、4㎝程の「芽付竹」の【力竹(ちからだけ)】の柱が立っています。壁を開口したことに拠る弱さを補う役目をします。が、実際には力は掛からないのでダミーではあるのですが。
バックステージ・水屋
茶室の裏手には水屋という、茶事の準備をしたり、使った道具を洗ったりする場所があります。ライブハウスで例えると「バックステージ」です。 奥行50~60㎝程の所に、何段かの棚板が設けられています。水を流す【すのこ】には「白竹」を敷き並べ、洗った茶碗を乾かす【茶碗棚(ちゃわんだな)】には、板と板の間に「女竹」や「寒竹」を挟み込みみます。どちらも竹が節同士でぶつかる隙間から水が滴る仕組みです。
茶室のメイン・床
そして、茶室のメインともいえる【床(とこ)】。その日のテーマとなる掛け軸や花を飾る場所が「床」であり、亭主が客をもてなす気持ちが詰まっている場所なのです。
床の中の奥の上の壁をのぞき込むと、竹を削って作った小さな棒が突き刺さっています。軸を掛ける為の「竹釘」です。「こんな人目のない所で、大切な仕事をしていたのかぁ~」と、竹を褒めてあげたくなります。
ライブで例えると「音響さん」。見えない所での巧みなPAがあってこそ、拙い演奏も音楽になります。
さて、「茶室と竹」は次回にも続きます。
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1967年京都市生まれ。
関西学院大学法学部卒。
1915年創業の銘竹問屋・(有)竹平商店4代目、代表取締役。
NHK「BEGIN JAPANOLOGY」「美の壺」などのメディアへの出演や「第8回世界竹会議」の開催組織委員・「日本人の忘れ物知恵会議」のパネラー等を務め、日本の銘竹の美を海外・国内に向け発信する活動を行っている。
|銘竹問屋四代目・ギタリスト|竹/明智藪/嵐山/祇園祭/ギター
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