【秀吉一世一代の花見】700本の桜を植樹した醍醐の花見
いよいよ桜シーズンの到来ですね。残念ながらコロナの影響で「花より団子」のお花見宴会は難しそうですが…。さて、京都の花見といえばなんといっても「醍醐の花見」です。そのプロデューサーは戦国時代の宴会部長・豊臣秀吉。今なお醍醐にその名を残す一大プロジェクトには秀吉の家族愛が見え隠れします。秀吉は桜を通じて何を伝えたかったのか?編集部独自の視点による醍醐の桜をお楽しみください。【編集部/吉川哲史】
つらつらと考えるに、700本の植樹も建物の大改修もすべては、秀吉の「おもてなし」だったのでしょう。唐入り(朝鮮出兵)をはじめ、あまり評価されない秀吉の晩年期ですが、人生最後の舞台では秀吉らしさが存分に発揮されました。花見が終わると、秀吉は床に臥せる日が多くなりわずか5ヶ月後に亡くなります。享年六十二。一代で築いた太閤立志伝の幕引きでした。
天下人秀吉の最後の幸せは、現世での財産などではなく、死後に自分が愛した人たちの記憶に残ることだったのかもしれません。醍醐の花見で見せた秀吉のおもてなしの名残として、醍醐寺では「太閤しだれ桜」が今も美しく咲き誇っています。
(編集部/吉川哲史)
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ウィキペディア(Wikipedia)/醍醐の花見
世界遺産京都醍醐寺ホームページ
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祇園祭と西陣の街をこよなく愛する生粋の京都人。
日本語検定一級、漢検(日本漢字能力検定)準一級を
取得した目的は、難解な都市・京都を
わかりやすく伝えるためだとか。
地元広告代理店での勤務経験を活かし、
JR東海ツアーの観光ガイドや同志社大学イベント講座、
企業向けの広告講座や「ひみつの京都案内」
などのゲスト講師に招かれることも。
得意ジャンルは歴史(特に戦国時代)と西陣エリア。
自称・元敏腕宅配ドライバーとして、
上京区の大路小路を知り尽くす。
夏になると祇園祭に想いを馳せるとともに、
祭の深奥さに迷宮をさまようのが恒例。
著書
「西陣がわかれば日本がわかる」
「戦国時代がわかれば京都がわかる」
サンケイデザイン㈱専務取締役
|八坂神社中御座 三若神輿会 幹事 / (一社)日本ペンクラブ会員|戦国/西陣/祇園祭/紅葉/パン/スタバ
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毎年4月の第2日曜日に開催される「醍醐の花見」を再現するイベント。秀吉をはじめ花見の主要人物に扮した行列が連なります。