誰が考えたのか、流しそうめん。水路に竹を使うのがデフォルトですね。
ここで竹屋からのアドバイスです。
【割ったなら、すぐに使った方がいい!】
それは、衛生的な理由で言っている訳ではなく、、、竹が縮んでくるから、なのです。
友人が竹屋であることで便利な事は、ほぼ無いとは思いますが、時折、特に夏場に、友人が竹屋であることの便利さに気づき、そして連絡してくる人がいます。「流しそうめん、したい。竹、欲しい。」と。
夏場に青竹はストックしないので、仕方なく、水分含みまくりの青竹をわざわざ切って、ウンショと竹を割り、セッセと節を取り、汗水たらしながら竹水路を作成。
完成後、2日程放っておいた後の、とある朝。竹水路を見て、驚きました。直径9㎝程の竹の半割、つまり水路の巾も9㎝のはずが、、、直径4㎝程の丸い竹になってる。。。
この写真の竹、何か様子が奇妙に思えませんか?。
割って節をとった側が、縮んで丸まってきて、こういう形になっているのです。あの朝の衝撃の竹水路(のはずのものは)、これ以上の変化ぶりで、割った隙間もほとんど埋まるくらいの奇麗な丸い竹になっていました。
おかげで、その時は汗だくで作り直し。
この事をふと思い出し、竹の理科実験をしてみよう!と。
半分に割るから縮むのか?!節を取るから縮むのか?!(まっ、節、なんですけどね。)
さて、実験です。80㎝程の長さの2本の竹を用意しました。その2本は、1本の竹から取ったので性格は同じです。2本とも節が3つある状態で、両端と真ん中に節がくるようにしてあります。それをまずは、半分に割ります。
片側は節をそのまま残し、もうひとつの片側は節を3つとも取り払ったもの。
この竹を「青テープ君」と名付けます。
同じように片側は節をそのまま残し、もう片側は真ん中の節だけを取り、両端の節は残したもの。
これは、「赤テープ君」です。
4枚共、同じようにスッキリ割れています。竹を割った性格とは、こういう事を言うのでしょうね。
24時間後。おやおや、何か様子がおかしいよ。青テープ君、細くなって、丸みを帯びてきているような感じがするぞ。
断面を合わせてみると・・・ありゃ不思議。形があわないぞ~。
赤テープ君も、何か違っているよ。真ん中がくびれてきているよ。
48時間後。青テープ君、昨日よりずっと、細く丸くなっているよ。ダイエットしたのかな?
断面は全く合わなくなったね。
赤テープ君も、ますますくびれてきたねぇ。砂時計の瓶になりたいのかなぁ?
でも、断面は合ったままだね。節があるから、なんだね、きっと。
映画「すみっコぐらし」のナレーションみたいになってきましたが、「竹は縮んで丸くなる」が言いたかった、という訳です。
実験の竹は、冬場の竹で、硬くもあったので、驚愕の結果程には至りませんでしたが、
「流しそうめん」の件の写真は、水分を沢山含んだ夏の竹で、柔らかくもあったので、一目瞭然の変化をしていました。節を取らない部分も残しておいたところ、その節が歪む程の勢いで、丸くなっていました。
おそらくは、割り面から含有水分が出ていきやすくなり、乾燥する過程で作用が働く。その作用に対抗している節が除かれた事で、一気に、円に沿って安定する方向、つまり内側に向かう作用が起こり、丸まっていく。
こういう事なのだろうと想像します。
ただ、科学的根拠よりも、気になるのは竹の生命力の力強さ、です。
伐られて、大地から離れたはずである竹が、自身で動き、思う方向に進んでいこうとする。生きている姿を、変化する形から示してくれているように感じさせられます。