神輿の先陣をきる榊台

祇園祭といえば、山鉾巡行を浮かべる方が多いのではないでしょうか。山鉾は、御神輿が通る道中を清める役割があるといわれています。清めるといえば、榊があります。榊は、神様の前で邪気を祓い、洗い清めるため大昔から使われています。

豊園泉正寺榊(ほうえんせんしょうじさかき)

毎年7/16の宵宮に神の「よりしろ」として榊台を立て、八坂神社神宮によりお祓いをしていただきます。ここに神をお迎えするため、祭壇を飾り祀ります。そして、7/17の神幸祭の夕刻には八坂神社より渡御する神輿巡行の先導をきって供奉します。当日は、各町内会長様、連合会役員、榊役員、そして有志の方々の総勢50余りの人数でお供をいたします。
古くは、御座ごとにありましたが、他の二基は途絶えてしまい、唯一「豊園泉正寺榊」のみが継承され、元々は東御座に供奉していましたが、現在では中御座に供奉しています。
榊は元は「泉正寺榊」として学区内の泉正寺町に継承されていましたが、町内人口の減少や高齢化に伴い、町内だけの維持継続が困難になり、そこで平成元年、豊園学区住民の賛同を得て、榊奉賛会が設立され、「豊園榊」として継承されました。
現在は、豊園学区と泉正寺榊の由来に添ったものとして「豊園泉正寺榊」として継承されています。

榊奉賛会では、祇園祭にちなんで厄除けの粽(ちまき)を会員の女性たちが一つ一つ手作りで作っており、粽は「家内安全・交通安全」と記されたお守りと「蘇民将来子孫也」と記されたお札が添えられています。
一つ一つ手作業のため、多くは作成できませんが、お作りしました粽は全て八坂神社でお祓いしていただきます
洛央小学校の近くに榊台をお飾りし、粽を授与(販売)しております。祇園祭にお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
 

※2019年夏の記事です。

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この記事を書いたライター

 
40年前から榊の御奉仕に携わっています。
平成27年6月に豊園泉正寺榊奉賛会 会長に就任。 

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