17日に
祇園祭神幸祭が終わりました
世の中では山鉾巡行イコール祇園祭と思ってらっしゃる方がほとんどでしょうが
それだけではありません。
祇園祭は
平安時代のはじめ、京都の街で流行った伝染病をしずめるため始まったのが
由来とされています。
疫病をおさめるため、八坂神社の神様が神輿にのって氏子地域をまわり
人々の健康や安寧を祈ることから始まった祭り
だから
17日の夕方から八坂神社を出られる「神輿渡御」が一番大切な行事なんだぞ
と、子供の頃知らないおじさんに教えられ、とても嬉しくなったことを
覚えています
実際のところ諸説ありますので、本当のところはわかりませんが
大人になり、西御座神輿を担う身としては、こういう意見があるのは、
自分たちがかなり大役を、歴史を、担ってると感じる話です。
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錦青年部が担う
西御座神輿は、八王子神輿とも呼ばれています
素戔嗚尊の8人の子供(八柱御子神 ヤハシラノミコガミ)を乗せているため、8角形の形をしています
角が多いということ装飾品の数も多く3基の神輿の中で最も重たい神輿でもあります
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錦青年部が、青年部だけがかついでるのか、と思われるかと思いますが
お神輿は全国から集まった担ぎ手により成り立っています
それを取りまとめ、行事を進めるのが、錦神輿会、錦市場青年部の役割なのです
ですから、神輿が大好きで、一年を通してあちこちの神輿を担ぎにいく私ですが、
祇園祭に関しては担ぐ暇がないというのが実際のところ、
神輿は、一瞬を切り取った時、約50人くらいの担ぎ手により担がれています
約10秒ほどで次の人に交代交代と、かわるがわる担ぎます
なんせ神輿は2トンほどあります。
担いでいるにも限界があります
ひとりひとりが腹の底からふんばって担がないと神輿は前にすすみません
百人が百人して懸命に、ほいっとほいっとの掛け声で担ぐ神輿を
思う方向に進めていくのが、錦青年部の会長そして、神輿を指揮する幹事長なのです
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まさに神輿は団体競技だと思います
みんなのパワーをうまく進みたい方向に誘導する、
それをする人がいないとあっという間に見物人、建物に、電柱にぶつかっていくことでしょう
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青年部会長を現在させて頂いていますが
神輿が進みだしたら常に考えるのは、
神輿を気持ちよく自分が担ぐ、ではなく
神様が乗るこの西御座の神輿を、たくさんの担ぎ手のパワーを一方向に向かわせる
ことです
青年部の仲間の助力もあり今年も17日は大きなトラブルなく終えることができました
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最近は神輿のかき手も高齢化しています
神輿はややこしいおっさんたちもたくさんいる(笑)そんな世界ですが
それぞれが、様々な思いをもって、子供のように大声を出して
汗をぶるぶるかいて、笑ったり怒ったりと神様に一番近い場所で
参加しています
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最近は
なにごともほどほどにしか努力しない、頑張ったりしない若者たちも増えています
草食だの、欲がない?だの、いろいろと言われていますが
ぜひ一度祭りに参加してほしいと思っています
そんな普段の自分を忘れて、担ぎ手の勢いに、人間臭い集まりの中で
汗にまみれていたら、きっと生き方変わってくると思いますよ
そしていつしか、肩と首のうしろには神輿コブがこんもりとできる平成男子が増えると
神輿はいつまでも受け継がれていくと思っています
今年は祇園祭が始まって1150年、そして令和最初の祭
さあ、24日も声がかれるまで、熱い夜にしていきたいと思います
※2019年夏の記事です。
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