
嵐電 四条大宮駅前 ー 御神輿と丹波八坂太鼓 ー
祇園祭の穴場スポット?
「ドンドコ、ドンドコ、ドンドコ」丹波太鼓の律動がお腹にまでズシンと響くころ、「ホイット、ホイット」という掛け声が聞こえ、その掛け声が徐々に大きくなるとともに八坂さんのお神輿が近づいてくる…。私たちにとっては、祇園祭おなじみの光景です。7月24日夕刻の嵐電四条大宮駅前のタクシー乗り場は、祇園祭の神輿を間近で見られる穴場スポットとして知られています。
京都三大祭の一つ、祇園祭は山鉾巡行の雅な祭りと思われがちですが、実は夕方からは八坂さんの神様をお乗せした3基の神輿が洛中を渡御する勇壮な祭りでもあります。山鉾の「静なる美」に対し、神輿は「動なる勇壮」。この相対する2つが揃って初めて祇園祭が成立するそうです。
24日は還幸祭といって、17日に四条寺町の御旅所にお泊りになった神様が、八坂神社にお帰りになる日です。
嵐電と祇園祭の関係
ところで、なぜこの嵐電駅前が穴場スポットとなったのでしょうか。
ずいぶん昔のことになりますが、嵐電四条大宮駅地下で当社が飲食店を運営していた頃の話です。そのお店のスタッフの一人が毎年7月の17日と24日になると決まって休暇を取っていました。理由を聞けば「祇園祭に参加するから」とのこと。時の社員が「へえ~、どこの鉾?」と尋ねると「いやいや、神輿を担ぐんですよ」とか。その社員は、その時はじめて祇園祭に神輿が出ることを知ったそうです。そして、それが当社と祇園祭との関係の始まりでした。
それまでも、四条大宮は神輿の巡行ルートではありましたが、単なる通過点にすぎませんでした。しかし、スタッフが神輿を担いでいることを知ってからは、嵐電四条大宮駅前に神輿をとめていただき、当社社長が参拝するとともに、三若神輿会の皆さまに飲み物を奉納しております。以来、10年以上の月日が流れ、今では嵐電夏の恒例行事として、地域の皆様にはすっかりお馴染みとなりました。
丹波八坂太鼓のご奉納
また、10年前より丹波八坂太鼓の皆様にお越しいただくようになり、とても賑やかなお迎えスポットとなりました。太鼓のリズムと神輿は相性がよいらしく、担ぎ手の皆さんは「太鼓の音を聞くと気合いが入ってくる」と仰っています。ちなみに、なぜ丹波の太鼓かと申しますと、八坂神社の御神田が丹波にあるからだそうです。神輿の上の鳳凰のお飾りには丹波のお稲が飾られています。
私たち嵐電は、京都に住む者、京都で働く者の一人として、このように祇園祭にご奉仕できることを誇りに思っています。もちろん今年の7月24日も嵐電四条大宮駅前に神輿をお迎えしますので、ぜひ一人でも多くの方に、この迫力ある神輿振り、太鼓振りを体感共汗していただきたいと願っております。
※2019年夏の記事です。
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